松本剛1軍復帰いきなりフル出場 首位打者へ「とにかく一本でも多くヒットを」
■日本ハム1-2楽天(16日、札幌ドーム)
左膝骨折から約1カ月ぶり「緊張しましたね」
覚醒した男が帰ってきた。左膝蓋骨下極骨折で戦列を離れていた松本剛外野手(29)が、約1カ月ぶりに1軍昇格すると「2番・DH」で即スタメン出場。3打数無安打に終わったが、久しぶりの札幌ドームで元気な姿を見せた。
「緊張しましたね」という一回の第1打席、万雷の拍手が松本剛を包んだ。「すごくありがたいです」とファンの温かさを感じながら、打席へと歩みを進めた。復帰後最初の打席は三振。その後も右邪飛、遊ゴロに終わり、八回1死一塁で迎えたこの日の最終打席は犠打。快音は17日以降にお預けとなった。
「正直、万全じゃない状態ですけど(1軍に)上げてもらったので、そこは感謝したいですし、上げてもらったからには結果を残したい。やっぱり打席に立って打てなかったら悔しいし、イライラするのを改めて感じたので、何とか打てるようにしたい」
骨はまだ折れたまま ビッグボスから「走るな」指令
まだ骨は折れたままで、完治はしていない。無理をすれば、悪化する可能性もある。そんな中で六回に放った遊ゴロは、三遊間奥深くに飛んだ。万全ならば快足を飛ばし、内野安打となったであろう打球だったが「(全力なら)セーフだなと思っちゃったので、あそことかはセーブしながら。逆にあそこで僕が無理して、すぐけがをしていたら、こうやって(1軍に)上げてもらった意味がなくなってしまう」と、全力で走りたい気持ちを押し殺した。新庄監督も「怖かったのはショートゴロ。『走るな』って言いました。あれでいいんですよ」と同調した。
負傷した時は「結構(精神的に)きつかったですし、めちゃめちゃ悔しかった」と振り返ったが、翌日には切り替え、早く治すことに集中した。毎日、横浜にある治療院まで通い、電気治療を施した。「その先生は本当に毎日(治療してくれた)。そのおかげで少しでも早く復帰できたと思いますし、チームのトレーナーさんも早く復帰するために、最善を尽くしてくれていた」と感謝した。
恩返しは結果で示すしかない。現在、打率.352で首位打者を快走中。この日は4打席に立ち、規定打席まであと105打席となった。「とにかく一本でも多くヒットを、っていう思いでやってきていた。その気持ちはぶれずにやっていく中で、最後にそれ(首位打者)が取れれば、一番いい結果になる。そこは目指してやっていきたいと思います」。まずは17日、一本を積み重ねて再出発を図る。