栗山監督”勝負手”も空回り 七回代走・中島二盗失敗
■日本ハム2-4ソフトバンク(25日、ペイペイドーム)
日本ハムは25日、敵地での連勝を狙ってソフトバンクと対戦したが、序盤の失点が響き、2―4で敗戦。3年連続でカード負け越しが決まった。先発したドリュー・バーヘイゲン投手(30)がつまずいた。一回に栗原陵矢捕手(25)に17号ソロを浴び、続く二回は先頭の四球から4安打で痛い3失点。いずれも2死を奪ってからの失点が致命傷となった。2点を追う七回、無死一、三塁の絶好機を迎えたが、盗塁死などでチャンスをつぶし、勝利への流れを呼び込むことはできなかった。
最大のチャンスを逸した。2点追う七回、ソフトバンクの岩嵜に対し、高浜と佐藤の連続長短打で、無死一、三塁という絶好機をつくった。前日24日にモイネロ、森から得点を挙げていただけに、最低でも1点返して重圧を与えたいところだった。
内野も下がっている守備隊形だったが、石井は前に飛ばずことができず空振り三振に終わった。続く清水のカウント2―1となった4球目。代走で出場していた一走・中島が二盗を試みたが盗塁死。2死三塁となり、清水も三振に倒れた。スコアボードには「0」が刻まれた。
栗山監督は「連勝するためには大事にいったって勝ちきるわけないだろ。全然あそこは気にはならないから。勝負にいっている」と話したが、盗塁を仕掛けるには、あまりにもリスクが大きい場面だった。
ソフトバンクの捕手・甲斐の盗塁阻止率は、試合前時点で.438と、断トツでリーグトップの数字を誇っていた。なおかつ打席の清水は右打者でブラインドとなる左打者ではなく、一走の動きが見やすく、スローイングもしやすい状態だった。
中島も変化球のタイミングを見極め、間一髪のタイミングに持ち込んだ。送球が少しでも逸れたらセーフでもあったが、投げやすい状況が甲斐の正確無比な送球を生み出したのも事実だ。
盗塁王を3度獲得している西川が「(盗塁で)むちゃくちゃ流れが変わるかっていったら、そんなに変わるものでもない。アウトになった代償の方がでかい」と盗塁のリスクについて語っていたことがあった。今回の攻撃で失った代償は大きいものとなった。
最大の見せ場で無得点に終わった打線は、その後、敵の逃げ切り策であるモイネロ↓森の前に走者を出すことすらできなかった。今季ワーストとなる16三振を喫し、3年連続でのソフトバンク戦負け越しが決まった。
大型連勝の流れをつくるためにも攻めの姿勢は欠かせない。その上で的確な状況判断も必要となる。まずはきょう、カード勝ち越しを決めて、奇跡への道筋をつくる。
(十島功)