ファイターズ
上川畑、古川裕、清水が好守連発でスコアレスドロー 新庄監督ダメ出しも
■日本ハム0-0オリックス(23日、釧路・ウインドヒルひがし北海道スタジアム)
守り勝つ野球の精神が浸透
勝者と敗者を分けるてんびんが絶妙なバランスを保って揺れていた。互いに好守と拙攻を繰り返し、決め手がないまま、意外な形で引き分けが決まった。日本ハムが七回の攻撃を終えた午後4時7分、日没コールドが宣告された。ウインドヒルひがし北海道スタジアムはナイター照明がなく、2019年に続き、日没終了となった。
新庄監督が「向こうも満塁で一本出ないし、こっちは走塁であーだこーだなる(ミスを連発する)し。ベンチで大笑いしてましたよ」と皮肉めいた口調で振り返った試合。オリックスの視点に立つと、7回13残塁でイライラの募る展開だった。何度もピンチをしのぎ、粘ったのは日本ハム。投手陣の奮投とともに守備が光った。
捕手が本職の古川裕が右翼でビッグプレーを見せた。三回1死満塁。飛距離十分の右飛を捕球すると、本塁へダイレクト返球。タッチアップの走者を刺し、失点を防いだ。
球場全体が沸いたバックホームだったが、外野の名手だった指揮官は小さく首を振り「彼なりに高いボールを投げて、風を利用したかもよ(笑)。でもダメ。低いボール、低いボール」と、より質の高いプレーを求めた。
三回無死二塁では、福田のセーフティーバントを捕手の清水が素早く処理し、三進を阻止。七回には吉田正の中前へ抜けそうなゴロを遊撃の上川畑が軽快な動きでアウトにした。攻めきれなかったが、押されても崩れなかった。ビッグボスが提唱する守り勝つ野球の精神は、着実に浸透しつつある。