ファイターズ
《荒木大輔のズバリ解投》下手投げの鈴木が先発陣の良いアクセントに
■日本ハム0-0オリックス(23日、釧路・ウインドヒルひがし北海道スタジアム)
クイックや緩急駆使し決定打を阻止
今後、面白い存在になりえる。そんな期待を抱かせてくれる鈴木の投球だった。毎回、走者を出しながらも決定打を阻止した。ただでさえ、日常的に対戦機会の少ないアンダースロー。加えてクイックを使ったり、緩急を駆使したりと、実に工夫しながら投げていた。向かい風も巧みに利用した。
オリックス打線にとってみれば、チャンスこそつくっていたものの、フルスイングさせてもらえなかったという印象だろう。鈴木は自分の特長を生かすすべを心得ている。前回(七回途中2失点)に続き、練習の成果をゲームでしっかりと出すことができていた。
先発ローテーションの座を奪うことは容易ではない。ただ、他のどの投手ともタイプが違う鈴木がスターターの一角に加われば、良いアクセントにはなる。
2番手の吉田も難しい登板で最高の結果を示した。五回2死満塁。文字通りの大ピンチでマウンドに登り、第1、2打席で2安打していた小田をわずか1球で仕留めた。回またぎで登った六回は2死後にヒットと盗塁を許したものの、こちらも2安打していた安達を見逃し三振に封じた。
インターバル後の六回はもう一度、気持ちを入れ直す必要があり、難しい。吉田の好リリーフは大きかった。古川裕や清水、上川畑らの好守も光った。(本紙評論家)