ファイターズ
《鶴岡慎也のツルのひと声》〝マイナス要素〟あってもプロ 取れるアウトを確実に取って
■日本ハム4-5オリックス(24日、帯広)
直球最速は150キロを計測。変化球もカットボールやスライダー、フォーク、チェンジアップといずれもキレが良かった。何より今回の登板に懸ける気持ちが前面に出ていた。上原は前回(五回途中3失点)の反省を生かし、しっかりと準備してきた。
だからこそ、守備の乱れが痛かった。四回1死から、三塁に入った郡と左翼手の近藤が連続で失策。その後、上原は先制の2点打を浴びた。逆転した直後の五回には2死三塁で一塁手の清宮がファウルフライを取り損ねた。記録上はエラーにならなかったが、直後に3点を奪われた。
慣れない地方球場でのデーゲーム。風も吹いていた。〝マイナス要素〟はある。それでもプロ。取れるアウトを確実に取らなくては失点は免れない。試合前の準備がいかに大事か。再認識したはずだ。やるべきことをやってこそ、連敗脱出が見えてくる。
九回に近藤が1点差に迫る本塁打を放った。ダイヤモンドを回る彼の顔に笑顔は一切なかった。ミスの大きさ、1プレーの重みを感じていたからに他ならない。
ミスをカバーし合うのもチーム。ただ、今回ばかりは上原を責めるのは酷だろう。そんな内容と気概をマウンド上で見せてくれた。女房役を務めた古川裕も三回に盗塁を刺した。スローイングに課題があったのも事実。自信にしてもらいたい。(本紙評論家)