ファイターズ
≪岩本勉のガン流F論≫力任せなバギーの投球に「がっかり」
敗れた試合でつつかざるを得ないのが先発投手だ。この日であればバーヘイゲン。後半戦は5試合25回を投げ、防御率1.44と好調な助っ人右腕が連勝を狙って挑んだ。
立ち上がりは球の強さがあり、ポンポンと2者連続で三振を奪うスタート。しかし、3番・栗原に対して、1―0から真ん中高めへのストレート。球速は150キロ超を示しても捉えられ、打球はホームランテラスに運ばれた。2死から力任せで向かっていったが、結果は返り討ち。
同点に追いついてもらった直後の二回は、先頭の四球で一瞬にして場の雰囲気を変えてしまった。ひと言で言えば「がっかり」した。ここでもエイッ、ヤッのパワー投球に頼るだけ。球威はあっても、きめ細かさに欠けた。その部分が足りなければ、勝てる流れは訪れない。
なんとか2死までこぎ着けたが、上位に戻り三森、中村晃と連続して右前に適時打を浴びた。2球目、初球と真ん中付近に集まったボールは容易にはじき返された。
ソフトバンクは現在苦しんではいるが、近年ずっと球界をリードしてきた実力チーム。大技以外にも小技や嫌らしさ、さらに失敗を繰り返さない業は健在だ。力任せだけでは通用しない。考えるべき事は多岐にわたっている。(本紙評論家)