ファイターズ
《岩本勉のガン流F論》ノーノー達成のポンセ 速球で押しまくる序盤の投球が効いた
■日本ハム2ー0ソフトバンク(27日、札幌ドーム)
中盤から配球変え強力打線を翻弄
ポンセを見てきて、1人で投げきる試合はつくると思っていたが、まさかノーヒットノーランとは…。マウンドが外国人好みの札幌ドームで初登板。いきなり投げやすいと感じたのだろう。一回に死球を与えたが、その後はスイスイ。150キロ前後のツーシームは、低めがゴロ、高めは空振り。持ち味がさく裂した。
立ち上がりは球が強く、押しまくった。中盤からナックルカーブを増やし、序盤に与えた印象を利用した。相手打者は明らかに狙い球を絞りきれず、後手に回っていた。
大きかったのは、八回の中島の守備だ。二遊間を抜けそうなゴロをアウトにしたが、ダイビングしていたら内野安打になっていた。アシストする気満々。絶対に大記録を成し遂げる―と言わんばかりの好プレーだった。
26日の試合は今季ワーストと言えるくらいコテンパンにやられていたが、逆に開き直るきっかけになった。打線の援護は木村の適時打と万波のソロ本塁打の2点。ロースコアで試合が進んだからこそ、ポンセはずっとゾーンに入っていられたのかもしれない。
最後に1つ言いたい。外野での出場機会も増えている古川裕がこの日、本職のリードでポンセを輝かせた。彼が大記録達成を後押しした裏MVPだ!(本紙評論家)