ファイターズ
2022/08/30 23:00

負傷明け2戦目の上沢が8回完投3失点 2被弾も手応え「感覚的には悪くなかった」

エースの上沢が復帰2戦目で復調した姿を見せた(撮影・富田茂樹)

■日本ハム1ー3西武(30日、ベルーナドーム)

前回登板8失点KOから一変

 奮投も復帰後初勝利とはならなかった。先発した上沢直之投手(28)は8回3失点と好投したが、打線は相手先発の高橋光成投手(25)から1得点しか奪えず、7敗目(6勝)を喫した。

 右足骨折からの復帰戦となった20日ソフトバンク戦は五回途中8失点と炎上したが、今回は見違える投球内容だった。上沢は「感覚的には悪くなかった。しっかり投げましたけど、体力的にきついということもないですね」と手応えをつかんでいる。

好打者・森とハイレベルな攻防

 レベルの高い攻防を繰り広げた。1―1の四回。先頭の森に対し、フルカウントから投じたフォークを右中間スタンドに運ばれた。上沢も単純に三振を奪いにいったわけではなかった。均衡している展開の中で先頭打者への四球は、試合の流れを悪くする可能性を秘めている。

 そこでバッテリーの導き出した答えはストライクゾーンでの勝負だった。上沢は「ストライクゾーンの中に動く球を投げて」フェアゾーンに打球を飛ばしてもらう算段だった。その狙い通り、真ん中低めにきっちりフォークを投じた。

 しかし、2019年に首位打者を獲得したこともある森のバットコントロールが上回った。「あれをホームランにできる森が凄いなと思いましたね。いろんな球種を投げる中で、しっかりフォークを投げたので、あれは正直仕方ないかな。打った方が僕よりレベルが高かったって感じですね」

 悔やんだのは1死後の呉念庭の本塁打だった。真ん中高めの147キロ直球は無情にも右翼席へ。「ホームランは一番簡単に点が入っちゃう。1本目は仕方ないにしても、2本目は防げたかな。投げきれなかったですね」と唇をかんだ。

 このベルーナドームでは19年以来5勝負けなしと相性は良かった。この日は4年ぶりに黒星を喫したが、8回5安打3失点と好投。上沢は「もともとあんまり好きじゃなかった」と言う。ブルペンのマウンドが、球場よりも傾斜が高くなっていることから、ボールが浮いてしまうことがあった。

実を結んだブルペンでの工夫

 そこで、昨季からはブルペンでの調整法を変えた。ブルペン投球の際に、プレートよりも2歩程度前に出て、マウンドの傾斜が緩やかなところから投げている。「それをしてから割と普通に投げられますね」と工夫が実を結んだ。

 体力や感覚はもう問題ない。「流れを持ってこられない投球になってしまった。前回に続き、チームに黒星を付けてしまったので、そこに関しては反省して次につなげなきゃいけない」。エースとして、次こそはチームを勝利に導く。

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