ビッグボス采配裏目も「あの作戦は失敗じゃない」
■日本ハム1-3西武(30日、ベルーナドーム)
一回1死満塁で初球エンドランが併殺に
優勝争いを繰り広げる西武に1-3で敗れ、両リーグ最速で70敗に到達。45勝70敗3分けで借金は今季ワーストを更新する25に膨れ、25試合を残してシーズン勝ち越しがなくなった。
一回の攻撃では、ビッグボス采配が裏目に出て無得点。それでも、試合後、新庄剛志監督(50)は「失敗しましたけど、別にあの作戦は失敗じゃない」と言い切った。
一回1死満塁の先制機で、打席にはルーキー上川畑。初球でエンドランのサインを出したが、内角高めの直球を打ち上げて三邪飛となり、二走の近藤が戻れず併殺で好機をつぶした。
球場をどよめかせる奇策を披露。「上沢君だったから、初回満塁で初球、ゴロで1点、もしくは抜けて2点、またたまって3点、『よっしゃっ』という気持ちに先にさせたかったから」と意図を説明した。
1点を追う三回には、3連打で再び無死満塁のチャンスが到来した。「もう一回、初球いきたかったけど」と脳裏をよぎったが、「左中間にライナーで近藤君の打球が抜けていくイメージがあった」と仕掛けず。近藤は二ゴロ併殺打で同点止まりとなり「それはもう駆け引きなのでね。イメージ通りにいったら全然、面白くないでしょ」とサバサバとしていた。
九回1死二、三塁の逆転機「今川君が打ったらかっこよかったけどね」
2点を追う九回に1死二、三塁としたが、古川裕が見逃し三振、続く今川が空振り三振。最後に見せ場をつくったものの、無得点のままゲームセットとなった。
「古川君、逆にボール球に手を出すくらいの方が好きかな」と苦笑い。「あそこで今川君が打ったらかっこよかったけどね。外野の守備位置は定位置だったから、カットボールをセンター前かなんかに転がしてくれたら同点で、また面白いゲームを見せられたと思う」と振り返った。
シーズンは残り1カ月を切った。「まあ、日々経験を重ねて成長するしかない」。厳しい戦いが続いているが、新庄ビッグボスはいつだって前向きだ。