最優秀防御率狙える!加藤8回0封で6勝目「野手のおかげ」規定投球回到達しパ2位2.05
■日本ハム8-2楽天(4日、楽天生命パーク)
日本ハムは4日、敵地で楽天と対戦し、投打ガッチリの試合運びで8―2と快勝。7カードぶりの勝ち越しを決めた。先発登板した加藤貴之投手(30)が8回を6安打無失点と好投し、今季6勝目を手にした。無四球とリズムの良い先発左腕の投球に打線も応えた。「3番・二塁」でスタメン出場した谷内亮太内野手(31)が先制の2点二塁打を含む2安打をマークするなど、計10安打で8点を奪った。
無四球で凡打の山「エラーなく守ってくれた」
淡々と、クールに、楽天打線を手玉に取った。加藤が8回をわずか98球で無失点に抑え、6勝目をマークした。三振は2つのみだったが、無四球で凡打を量産。「野手のおかげだと思います。強い当たりも、エラーなく守ってくれたのでリズム良く投げられました」と降板後は真っ先に仲間への感謝を口にした。
立ち上がりからテンポ良く、臆することなくストライクを投げ込んだ。四、六回には二塁に走者を背負ったが、後続をピシャリ。8回全てで先頭打者を打ち取り、三塁を踏ませなかった。「足が速いバッターもいますし、そこ(先頭打者)は意識して、投げることができたと思います」と納得の表情を浮かべた。
シーズン規定投球回到達へ「もっともっと頑張っていく」
この日の8回を加算し、今季の投球回数を122回2/3まで積み上げた。現時点での規定投球回(122回)に到達し、防御率は2.05でパ・リーグ2位に躍り出た。1位のオリックス・山本は1.82。最優秀防御率のタイトルも射程圏内だ。
チームが試合に勝つこと以外、こだわりを見せることが少ない左腕だが、シーズン規定投球回(143回)到達には強い意欲を示している。
自身の記録のためではない。先発がイニングを稼げば、その分ブルペン陣の負担が減り、チームへの貢献につながるからだ。「そこ(規定投球回)を目指して。もっともっと頑張っていきます」と力を込めた。
常に自然体でいることを好む。勝っても負けても普段通り変わらずに生活することを意識している。日々のルーティンはつくらない。「何がルーティンなのか、あんまり分かっていないので(笑)。あってもなくても一緒かな。普通に何もなく過ごしています」とさわやかに笑った。
そんな左腕も、ローテーション投手としてのプレッシャーと毎週戦っている。「やっぱり、投げ終わったその日が楽ですね。緊張から離れられるので。リフレッシュできるのは、投げた日の夜くらいですかね」。登板日までは節制に努めるが、登板後の夜は「ちょっとお酒は飲んだりします。本当に少しだけ飲んで、寝るだけです」と、ささやかな楽しみを解禁している。
マウンドではポーカーフェースを貫くが、練習中にはチームメートを冗談で笑わせ、先輩後輩を問わず愛される。今季の残り試合も、新球場元年となる来季も左のエースが投手陣を支えていく。