ファイターズ
《鶴岡慎也のツルのひと声》「つなぎ」とチャンスメーク 献身的プレーに徹する谷内
■日本ハム3-2オリックス(7日、札幌ドーム)
自分の能力を理解し、求められている役割を遂行する。これぞプロ野球選手。それを体現したのが谷内だ。
3安打すべてが逆方向。前日も2番に入って右方向へタイムリーヒットを記録していた。反対方向への打撃はあらゆる確率を上げる。球を引きつけることでボール球を振らなくなる。ファウルで粘ることができる確率もアップする。
谷内の役割は「つなぎ」とチャンスメーク。献身的なプレーに徹することができれば、首脳陣は当然、機会を与えたくなる。そして結果で示す。これぞ本当の意味でのアピールだ。
守備力の高さは誰もが認める。だが、谷内は守備固めの選手で終わろうなどと思っていないはずだ。攻撃でも勝利に貢献できる。ビッグボスも本気でレギュラー候補として考えていくことだろう。
昨季、私は彼とロッカーが隣だった。試合後、バットを振り続け、汗だくになって戻ってくる姿を何度も目にした。確かな準備は結果につながる。谷内の活躍は当然と言い切れる。
やるべきことができる選手が増えると、もちろんチーム力は上がる。彼のプレーを目にした若手は何を感じてくれるだろうか。ただ、やみくもにバットを振っていては結果に結びつく確率は低くなる。頭を使い考えながら野球をする。周囲に与えた影響も大きかった。
(本紙評論家)