Ｃ大阪戦（２日、２―１）は、ＦＷ金健熙がＪ１初ゴールで同点、試合終了間際にはＭＦ青木が劇的な逆転弾を放った。

　守備では、決定的ピンチを何度かつくられ、ＧＫ菅野のビッグセーブに救われたが、そこは次の課題としてほしい。しかし、前半には相手を引きつけてサイドチェンジを２度繰り返しながら決定機につなげたシーンも見受けられ、今後もっとビルドアップの質が良くなるだろうと感じさせた。

　同点に追いついた金のゴールは、個の力でこじ開けた素晴らしいゴールであった。シャビエルのアーリークロスも、もちろん良かったが、金が相手ＤＦの前に入りつつ、ボールの落下地点がちょっと長いとみるや判断を変えた。そのかけ引きがあってフリーでシュートを打つことができた。最初は胸でトラップすると思ったが、あのヘディングの技術は素晴らしかったし、あのボールをダイレクトで決めるという決断には驚かされた。

後半ロスタイム　ルーズボールを最後まで体張りつなげた

　逆転劇の裏にはＤＦ岡村の粘りがあった。後半ロスタイムの表示時間を切りそうな状況で、ルーズボールを最後まで体を張りながら味方につなげた。あそこで自分たちのボールにできなければ試合は終わっていただろうし、相手のファウルもあったが、そこで審判にアドバンテージを取ってもらえたのも、しっかりと体を張っていたからだ。

　その後の青木のスーパーゴールも素晴らしかったが、ＭＦスパチョークが縦に早くスプリントをかけてサポートし、ゴール前では相手ＤＦ３人を引きつけた。さらにＭＦシャビエルもフリーランをして反対サイドでＤＦ２人の注意を引きつけていた。そこでマイナスのスペースが空き、決定的なゴールが生まれた。

　何が何でも自分たちのボールにするんだ、という強い気持ちを最後まで持ち続けたことが結果につながり、人々の心を揺さぶった。周りが献身的に最後までサポートしたことも大きい。そこは今後も大事にしてほしい。

　次節の相手は現在最下位の磐田。Ｃ大阪戦の勢いを継続して、ホーム４連戦の最後を勝利で飾りたい。
（コンサドーレ・リレーションズチーム・キャプテン）