ファイターズ
《荒木大輔のズバリ解投》伊藤大海は引き出しの多さで不調をカバー
■日本ハム2-1西武(10日、ベルーナドーム)
勝ち星に恵まれなかったものの、伊藤は8回無失点と好投した。ただ、調子は決して良くなかった。直球のスピードは150キロを下回った。球速だけでは評価できないが、バロメーターにはなる。序盤は特にボールが先行する場面も目立った。となれば、球数も必然的に増える。
タイミングの取り方を変え、緩いカーブの使い方を工夫
それでも、だ。ピンチを迎えても得点だけは与えなかった。引き出しの多さを披露したといえる。「これがダメなら、これ」と全てを出し切った。タイミングの取り方を変えたり、緩いカーブの使い方を工夫したりと試行錯誤した。そして強い気持ち。可能性を残す最多勝がモチベーションになっていたはずだ。
相手もある。しかもプロ。絶好調で思い通りの投球ができる試合は多くない。状態が悪い時にこそ、どういうピッチングをするか。今回の投球で伊藤はさらに株を上げた。
クローザーへの転向もビッグボス構想の一つだという。抑えをやっても成功するだろう。だが、試してみないことには判断はできない。チームを勝たせなくてはいけないのが監督。気持ちは理解できる。それだけ能力の高い投手ということだ。
近藤にも触れたい。節目の数字を前に力も入るし、意識もあったはずだ。そんな中でも3安打とも甘い球を確実に仕留めた。やはり、すごいバッターだ。