ファイターズ
《岩本勉のガン流F論》ポンセと与座、明暗分けた投球の〝味付け〟の差
■日本ハム0-3西武(11日、ベルーナドーム)
間合いの変化、傾向と対策で手玉に取られたF打線
味付け、スパイスの工夫で料理の印象は大きく変わる。もちろん、野球の話だ。
先発したポンセと与座。2人の明暗がハッキリと分かれた。ポンセはいつも通り、立ち上がりから力のあるボールを投げ込んだ。今季は登板のたびに安定感が増している。
ただ、相手は優勝争い真っただ中にある西武打線だ。二回に中村の先制ソロはあったものの、注目すべきは三回。金子と源田が連続スリーベース。2巡目の打線は、力でねじ伏せにきたポンセのボールを捉えてきた。
一方の与座はクイックで投げたり、時にはセットポジションに変更したりなど工夫をしてきた。間合いの変化だ。ファイターズ打線は先入観の裏をかかれた。さすがは2桁10勝を挙げるだけのことはある。
これこそが傾向と対策だろう。互いにこれまでも対戦経験がある。それぞれ情報はインプットしている。日本ハムは不完全燃焼の消化不良。逆に西武は食べる順番も思い通りで、消化良く事を運べた。
ただ、ポンセは再現能力に秀でた投手。捕手と相談しながら、テーブルに並べる調味料を少し加えるだけで、新たな味の料理も提供することはたやすい。この日の日本ハム打線がそうだったように新たな味付けが加われば、相手は戸惑う。となれば、おのずと結果は付いてくる。(本紙評論家)