札新川4年ぶり全道へ 内田の公式戦初アーチに打線呼応5得点快勝
▽秋季全道高校野球支部大会 札幌支部Eブロック代表決定戦 札新川5-1北広島(13日、札幌麻生)
4支部13試合が行われ、札幌支部では代表決定戦6試合が行われた。札新川は5―1で北広島との公立校対決を制し、4年ぶり6度目の全道切符を手にした。三回に先頭の1番・内田陽斗中堅手(2年)がソロアーチを放つなど3得点を挙げて試合を有利に運んだ。2014年から部長を務め、今春から指揮を執る河崎淳監督(57)は、監督として涙の初代表となった。
満塁のピンチ切り抜け口火の本塁打「まさか行くとは」
ゲームセットの瞬間、札新川の全校応援が行われた三塁側スタンドの熱気は最高潮に達した。河崎監督は「力のある子が抜けて、今回は弱いチーム。それがスタッフにも支えられて…」と声を詰まらせた。
二回2死満塁のピンチを切り抜けると、試合が動いた。先頭の1番・内田が0―1からの真ん中直球を左翼芝生席へ運ぶ公式戦初アーチ。「つなぐ気持ちで挑んだ結果がホームラン。まさか行くとは。むちゃくちゃうれしかった」と、何度もガッツポーズを繰り出しながらダイヤモンドを1周した。
これに打線も呼応して3連打でさらに2得点。六回にも追加点を奪って試合の主導権を完全に握った。すると前日12日の準決勝で初完封したエース・井口敦人(2年)が、9回1失点の2試合連続完投。投打がガッチリとかみ合い、そのまま逃げ切った。
下半身鍛え抜きバテないチームに
新チームは苦難の船出だった。夏が終わるとコロナの影響で2週間の自主トレ期間。それが明けると、指揮官は「例年に比べて下半身が弱い」と判断し、フィジカル強化に取り組んだ。
同校のグラウンド近くの坂道で約25メートルのダッシュに加え、大型トラックのタイヤを使って塁間を押しながら運ぶなど下半身をいじめ抜いた。さらに、陸上短距離の元道ハイテクAC・仁井有介氏(38)を招き、速く走るための基本的な走法を学んだ。すると「長い時間、試合をしてもバテない力がついた」と選手の動きが見違えたという。
30日から始まる4年ぶりの全道大会に向け、23日からは2泊3日で月形合宿を敢行する。打線をけん引した内田は「全道優勝を狙いたい。バットではもう1本打ちたい」とキッパリ。大舞台でも自らのアーチで勝利をたぐり寄せる。