ファイターズ
《鶴岡慎也のツルのひと声》完封の加藤 右打者への対応に技術の高さ詰まっていた
■日本ハム4ー0ロッテ(19日、札幌ドーム)
内角へ直球、カット、スライダーを巧みに投げ分け
見事な完封勝利。加藤が「いつも通り」の立ち上がりを披露し、快勝の流れをつくった。一回、わずか6球で3者凡退。ストライク先行の投球で付け入る隙を与えなかった。特に右打者への対応は圧巻で、インコースに直球、カットボール、スライダーを巧みに投げ分けた。技術の高さが詰まったピッチングだった。
打線は一回、4点を奪って主導権を握った。先頭の清宮が左中間二塁打。続く細川がセーフティーバントを決め、チャンスを広げた。この1、2番の働きが大きかった。左バッターにとって左投手の攻略はレギュラーをつかむためには必須だ。清宮はボール球に手を出さず、直球を逆方向へはじき返した。反対方向への意識に成長の証しを見た。
細川は自分の役割である「つなぎ」を十分に理解していた。二回の第2打席でもきっちり犠打を決めた。アウトになった3打席目以降も内容は決して悪くなかった。しっかりとボールを引きつけることができていた。
チームは最下位が確定した。だが、残り試合を消化ゲームにしてはいけない。特に若手は、高い緊張感を持って臨んでもらいたい。あと8試合。来年の立ち位置が懸かった大事な試合は続く。
(本紙評論家)