ファイターズ
2021/09/30 11:57

大海2桁勝利足踏み チームは自力CS消滅

二回裏、タッチアップを阻止した近藤に拍手を送る伊藤(左)(撮影・松本奈央)

■日本ハム0-5楽天(9月29日、楽天生命パーク宮城)

 大海足踏み、自力CS消滅…。日本ハムは29日、ドラ1右腕・伊藤大海投手(24)を投入し、カード勝ち越しを狙ったが、序盤で勝負は決した。一回、早々に先制を許すと、続く二回には先頭に四球を与え、その後4連打を浴びて3失点。伊藤は自己ワーストの11安打を許し、5回4失点で降板した。打線は楽天先発の滝中瞭太投手(26)を始め、相手投手陣を崩せず、0―5で今季14度目の無得点敗戦。自力でのクライマックスシリーズ(CS)進出が消滅した。

 2桁勝利の壁がまたしても立ちふさがった。12球団の新人一番乗りとなる10勝を目指した伊藤だったが、5回92球を投げて4失点で7敗目。プロ入り後自己ワーストの11安打を浴び、マウンドで何度も顔をゆがめた。


 オリックス・宮城、楽天・早川との新人王争いを制するためにも負けられない試合。前日28日は「(早川の)10勝目を阻止して」と託した先発の河野が好投して先勝した。


 それだけに「昨日(28日)のカード頭を勝って、いい流れで来ていたにもかかわらず、ふがいないピッチングをしてしまい申し訳ない気持ち」と悔しさをにじませた。


 完璧な立ち上がりを見せた前回登板の22日とは別人のようだった。制球に苦しみ、打球が不運にも内野手の間を抜けていった。
 一回、先頭の山崎に右翼への二塁打を許し、続く岡島の犠打が内野安打となり無死一、三塁。3番・浅村の右犠飛であっさり先制点を献上した。


 続く二回も再び無死一、三塁のピンチを背負った。オコエの中前適時打、山崎の中前2点適時打で一挙3点を奪われ、序盤で4点のビハインドを許してしまった。


 それでも、三回以降は踏ん張った。四回は2死満塁、五回は2死二、三塁のピンチを招いたが、何とか無失点。荒木投手コーチは「向こうも必死に来ているし、新人王争いもしているわけだから、要所で甘めに行ったところ逃してくれなかった。五回まで投げ切ってくれたのは最低限の仕事」とかばった。


 新人ながら今季は開幕からローテーションの一角を担い、東京五輪では侍ジャパンの金メダル獲得に貢献。荒木投手コーチは「疲れてないわけはないと思う」と言うが、「研究されているだろうし、『伊藤大海』という存在はみんなそういう意識でやってくる。それだけの投手だと思って、送り出している」と絶大な信頼を寄せる。


 チームは自力でのCS進出の可能性が消滅し、自身は2桁勝利に王手をかけてから3試合連続足踏みとなった。苦しい状態が続くが、下を向いている暇はない。伊藤なら、この試練を絶対に乗り越えてくれる。

 

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