上沢128球完投負け 2桁勝利絶望的に「チームに貢献できなかった」
■日本ハム1-3ソフトバンク(20日、札幌ドーム)
128球の力投は報われなかった。先発の上沢直之投手(28)が、3失点(自責2)完投と1人で投げきる意地を見せたが、8敗目(8勝)。2年連続の2桁勝利は絶望的となり、「もう終わったことなので仕方ないと思うし、その分、チームに貢献できなかったというのはあります」と淡々と話した。
志願の九回「行った方が何か見つかるんじゃないか」
今季は右足骨折で約1カ月の離脱を強いられながら、四回を投げ終えた時点で規定投球回に到達。8回で119球に達していたが、九回も続投を志願した。「八回、ちょっとしんどかったですけど、ここで逃げていいのかな…と。九回、行った方が何か見つかるんじゃないか。そんな気持ちでした」。最後は3者凡退で締めくくり、雄たけびをあげた。
プロ3年目でたどり着いた札幌Dに思いはせる
来季から日本ハムは本拠地を移転。思い出の詰まった札幌ドームでのラスト登板が近づいている。上沢にとって、思い出に残っている試合は公式戦ではない。2014年3月4日に行われた巨人とのオープン戦だ。「僕の中では初めて投げた試合が一番、記憶に残っています」と振り返る。
プロ3年目でようやくたどり着いた1軍本拠地のマウンドだった。1年目は体づくりに専念し、2年目は2軍でローテーションを守った。1学年下の大谷翔平(米大リーグ・エンゼルス)が1軍デビューを果たす一方、鍛錬の日々を送った。
「札幌ドームで投げたいと思って2年間、ファームでやっていた。ずっとしんどかったので、つらい練習をやって良かったなと思えた日でした」。坂本、阿部ら球界を代表する選手と対戦し、終盤3回を投げて1失点(自責0)。「すげえプロ野球で投げているわ」と興奮したことは、いまも脳裏に焼き付いている。
ローテーション通りにいけば、本拠地での登板機会はあと1試合。マウンドに立てる喜びをかみしめながら、エースは腕を振るだろう。