俊足復活!五十幡 2打席連続内野安打に「緊張したけど楽しかった」 三回には今季初盗塁も
■日本ハム6-3楽天(23日、楽天生命パーク)
日本ハムの五十幡亮汰外野手(23)が23日、敵地で行われた楽天戦に「2番・中堅」で先発出場。今季初の1軍舞台で2打数2安打1盗塁をマークし、チームの延長勝利に花を添えた。4月に腰椎椎間板ヘルニアの手術を受けたスピードスターは一、三回に遊撃へのゴロを俊足で内野安打にした。試合は2―2で延長戦に突入。十回に、1死二、三塁で上川畑大悟内野手(25)が勝ち越しタイムリーを放つなど一挙4点を奪って試合を決めた。
「『自分がまずは塁に出る』仕事はできた」
自慢の足は、さび付いていなかった。腰椎椎間板ヘルニアから復活した五十幡が、いきなりアクセル全開だ。今季1軍初出場で持ち味を存分に発揮し、2本の内野安打と1盗塁をマークした。
予定通り2打席で、四回の守備から交代し「思い切っていこうという気持ちが結果につながった。多くのファンの皆さんの前でプレーできて、緊張したんですけど、すごく楽しかったです」と充実感をにじませた。
けがの不安払しょく 復帰戦で今季初盗塁
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気付けば一塁を駆け抜けていた。一回1死の第1打席は三遊間へのゴロを放ち、遊撃手の山崎はワンバウンドで送球するも、悠々セーフ。三回1死一塁の第2打席では、再び三遊間深くへ打球を転がし、今度は山崎に送球を諦めさせた。
「ゴロを転がせば、何かあるかもしれない。そういうの(内野安打)も頭には入っていた。『自分がまずは塁に出る』という仕事はできたんじゃないかと思います」
けがの不安を吹き飛ばすように、塁に出た後も積極的に走った。一回に企てた二盗は太田の好送球で間一髪アウトとなったが、三回にも2死一、三塁から二盗を試み、即リベンジ成功。復帰戦で今季初盗塁を記録した。
4月に手術決断、父の支えに「活躍して恩返ししたい」
ルーキーイヤーの昨季から、腰に違和感を覚えていた。今年の春季キャンプは問題なく過ごしたが、札幌ドームで行われた3月2日のオープン戦で症状が悪化。戦線離脱を余儀なくされた。
腰のけがは選手生命に関わる。手術に踏み切る決断は簡単ではなかった。誰よりも五十幡の身体を案じていた父・雅弘さんからは「失敗したら終わっちゃうんだぞ。そのことを考えて決めろよ」と熟考を促された。
当初は保存療法を選択したが、3月末に右足のしびれが出始め、4月に人生初の手術を決断。不安は大きかったが、背中を押したのも父だった。「やると決めたからには、お医者さんに任せて、後はしっかりやるんだぞ」と励まされ、地道なリハビリを懸命にこなしてきた。
小学3年時に母・恵子さんをがんで亡くした。天国の母と、どんな時も心から応援してくれる父親の存在が、五十幡の支えになっている。「今回の手術で、改めて自分のことをすごく考えてくれているなと思いました」と感謝の思いを口にし、「けがが多く心配をかけているので、早く1軍で活躍しているところを見せて、恩返ししていきたい」と力を込めた。
今季は残り6試合。「どんどんチャレンジして勉強しながら、来年につなげていく」と意気込んだ。勝負は来季。新球場を駆け回り、チームを優勝に導いてみせる。