ファイターズ
2021/10/01 14:29

金子自滅6失点 チームは今季ワーストタイ借金16

先発の金子(左)は6失点で四回途中降板

■日本ハム5-8楽天(9月30日、楽天生命パーク宮城)

金子踏ん張れず…。日本ハムは30日、楽天と敵地で対戦。終盤の追い上げも及ばず5―8で敗れ、今季の負け越しがロッテ、ソフトバンクに次いで決まった。6月11日のDeNA戦(札幌ドーム)以来、約3カ月半ぶりの先発となった金子弌大投手(37)が沈んだ。同点で迎えた四回、茂木栄五郎内野手(27)の14号2ランを含む3安打、3四球を許し、一挙5失点でノックアウト。久々の1軍先発だったが、今季初勝利はお預け。借金も再び今季ワーストタイ「16」に膨らんだ。

 願いは打ち砕かれた。6月11日以来の先発となったベテラン金子が、四回途中6失点でKOされた。成績不振で降格してから長く2軍で調整。強い覚悟でマウンドに上がったが、突きつけられた現実は非情だった。復活の期待を込めて送り出していた栗山監督は「何とか、何とか頑張れという思いだった。球の状態は悪くなかったと思う…」と声を絞り出した。

 同点の四回。先頭の島内に四球を与え、1死一塁で茂木に勝ち越しの2ランを浴びた。その後、安打と四球で2死満塁のピンチを迎えた。これ以上の失点は命取りで、踏ん張りどころだった。ベンチは慌ただしくなったが、続投を選択。岡島に走者一掃の中越え適時二塁打を許した。

 四球や暴投が絡んでいた。継投も考えられるシーン。栗山監督は小さく息を吐いてから、決断の理由を明かした。「あそこは信じたかった。(金子)弌大を俺は100%信じたかった」。

 金子は沢村賞を獲得するなど、球界を代表する投手の一人であり、数多くの修羅場をくぐってきた。積み重ねてきた経験値や磨いた投球術は別格。指揮官は「結果的に違ったのかもしれないけど、俺は信じた。弌大を信じていたし、信じたかった…。すまん、そこ(続投が原因)で負けたのなら俺のせい。そういう勝負をした」と責任を背負った。

 降板を告げられた背番号19は、失意の表情でベンチに引き揚げた。低迷するチームの救世主にはなれず「先頭打者の四球から走者をためてしまい、リズムが悪く、苦しい投球になってしまいました。久しぶりの1軍登板で結果を残せず悔しい気持ちです」と肩を落とした。

 ロッテ、ソフトバンクに続き、楽天戦の今季負け越しが決定した。借金は今季ワーストタイの「16」。後半戦に入ってしぶとく食らいついてきたが、上位の背中は遠い。クライマックスシリーズ進出は日に日に厳しくなっていく。それでも、目の前の1勝が未来につながると、信じて進むしかない。(榎本真之)

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