《荒木大輔のズバリ解投》加藤の最少与四球は大いに価値のある〝タイトル〟
■日本ハム3-2楽天(26日、札幌ドーム)
加藤が偉業を成し遂げた。一回、浅村に与えた四球は規定投球回を意識したものと想像する。しっかり長いイニングを投げようと心掛けた結果だろう。二回以降は普段の加藤らしい投球を披露。安心して見ていられた。
コントロールが良く、どんどんストライクを投じる。だから打者は早打ちを強いられる。そこに来て加藤はスライダー、カット、フォーク、チェンジアップとあらゆる球で勝負でき、それぞれカウントを整えるボールとしても使用できる。早めに打ちにいっておきながら、的を絞れずに凡打という好循環が生まれてくる。
伊藤大海は「抑え用」の投球披露
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勝利数や防御率に目が行きがちだが、最少与四球も大いに価値のある〝タイトル〟だ。四球は失点につながりやすい。野球の格言通り、その四球を減らすことができれば当然、防御率も低くなる。2.01の数字はうなずける。
ラスト九回を締めた伊藤も見事だった。彼は状況に応じて投球を使い分けられる。今回は文字通り「抑え用」。先発でピンチを迎えた時のように全球勝負にいっていた。
加藤同様、ストレートに力があり、あらゆる球種で勝負できる。クローザーを任されたとしたら、セーブ王に輝く可能性は十分にある。ただ、先発でも15勝以上マークできるだけの力はある。チーム状況によって必要とされるポジションを任せられる。心強い存在には違いない。(本紙評論家)