大学・社会人野球
2022/09/27 23:25

航空自衛隊千歳が劇的サヨナラで10年ぶり全国! 本木、佐藤の3連投はまった

10年ぶり2度目の全国出場を決め、福井監督(中央)を胴上げする航空自衛隊千歳ナイン(撮影・西川薫)

▽社会人野球日本選手権道最終予選 最終日 航空自衛隊千歳3-2北海道ガス(27日、札幌円山)

 航空自衛隊千歳が3―2の劇的サヨナラ勝利で北海道ガスを撃破。無傷の3連勝で10年ぶり2度目の本大会出場を決めた。6月の都市対抗野球2次予選後に6選手が退部。さらに9月上旬には主力を含む4選手が研修でチームを離脱した。それでも道最終予選は3試合全てで驚異の粘りを見せて逆転勝ち。全国32代表の最後に目標としていた全国切符をつかみ取った。本大会(10月30日開幕、京セラドーム大阪)では、初の全国1勝を目指す。

3試合全てが驚異の粘りで逆転勝ち

 千歳基地に勤務する野球の〝トップガン〟たちが、10年ぶりに北海道の頂点に立った。

 2―2で迎えた九回裏1死二塁。3番・竹原滉太中堅手(26)がカウント1―1から真ん中に浮いたフォークボールを左前へサヨナラ打。「それまで2試合逆転勝ち。またそういう流れなのかなと。日頃の練習の成果が出た」と会心の一撃を喜び、歓喜の輪には少し遅れて飛び込んだ。

 就任2カ月の福井一気監督(29)は「まさに10年に一度の試合をしてくれた。監督冥利(みょうり)に尽きる」と、期待以上の結果を残してくれたナインに感謝した。

人数足りず「本当に厳しい状態だった」

 昨季終了後に9人が退部。都市対抗道地区2次予選に3戦全敗すると、さらに6人が退部した。オープン戦も人数が足りずキャンセルが相次いだ。8月上旬に新人5人が合流したものの、9月上旬には投手三枚看板の1人である三栖龍馬投手(26)を含め4人が研修でチームを離脱している。竹原は「本当に厳しい状況だった」と振り返り、福井監督も「ベンチ入りもぎりぎり。もう交代の選手がいない状態」と、自身も選手登録してベンチ入りするほどだった。

 危機を救ったのは、先発した本木敬基投手(29)と六回から救援した佐藤怜投手(27)。福井監督は「三栖が不在で、勝つんだったら2人の3連投しかない」と決断。第1戦は本木を先発に起用。第2戦は佐藤、最後は再び本木が先発。3試合全て2人で繋ぎ「まさかこんなにはまるとは」と、2人の成長に目を細めた。

 MVPに輝いた本木は福井監督と同学年。加入7年目で初の全国切符をつかんだ。「めちゃうれしい。京セラでは、今以上のベストを尽くして向かっていきたい」。全国大会初勝利へ、千歳基地から大阪に向けて勢い良くテークオフする。

 ◇表彰選手 ▽最高殊勲選手賞 本木敬基投手(航空自衛隊千歳)▽敢闘賞 松村尚汰投手(JR北海道ク)▽首位打者(打率.455) 田畑瑛仁捕手(室蘭シャークス)

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