ＧＫ具聖潤の札幌復帰がクラブから発表された。韓国での兵役が終了したため、来季また札幌でプレーすることになった。札幌復帰は兵役に行く前から既定路線だったようである。とにかくサポーターにとっては、うれしいニュースだろう。

　だが、３年もたてば札幌のチーム状況も、具のパフォーマンスも変わるのが当たり前。簡単にゲームに出られるわけではない。守護神の地位を築いたＧＫ菅野は、簡単にポジションを譲る気はないであろう。具がレギュラーだった頃は後塵（こうじん）を拝したが、腐ることなく、精進を続けた精神力はまねのできないもの。そういうメンタルを持った菅野には具の復帰に対し、危機感のようなものはないと思う。

　伸び悩んでいる（？）中野も大型ＧＫとして具から刺激を受け、学び取ることはたくさんあるだろう。高いレベルでのポジション争いがチーム力を向上させる。

　残留争いだが、残り５試合でＰＯ出場圏の１６位・京都とは勝ち点差が５の札幌。逆転可能な勝ち点差は残り試合×１ポイントと言われている。個人的には安全圏だと思っているが、あと一つ勝てば問題はない。

　次節（１０月１日）は苦手の川崎との一戦。今季の１回目の対戦（６月１８日）でも撃ち合いだったが、２―５と大量失点を喫して苦汁をのまされた。現在２位の川崎は、残り５試合を全勝し、首位・横浜Ｍとの差をひっくり返せるかどうかという状況で、背水の陣で向かって来る。前線からのプレスで、まずはキープレーヤーのＭＦ家長を抑え込むことが最低条件だ。
（本紙評論家）