《岩本勉のガン流F論》ファイターズとともに文化と歴史をつくった札幌ドーム
■日本ハム3-11ロッテ(28日、札幌ドーム)
今でも胸が熱くなる大歓迎の2004年
今でも思い出す。そして胸が熱くなる。2004年3月1日。キャンプ打ち上げ翌日、札幌駅南口広場でセレモニーが行われた。寒空の下、2500人を超えるファンが集まっていた。その姿に、新たなチャレンジに対する不安は払拭され、希望の先に光が見えた。勇気と高揚感を胸に、本拠地となった札幌ドームへ、あらためて足を運んだのを覚えている。
私自身、キャリア晩年ということもあり、札幌ドームではあまり活躍できなかった。ただ、今でも鮮明に記憶に残っている。2006年3月5日の引退セレモニー。360度、見渡す限りにファンの方々の顔。背の高い札幌ドームにあるマウンドはまるで〝渦の中心〟だった。そこで全身に受けた拍手と歓声。至福の瞬間だった。
ダル、大谷…数多くの名選手を生み出して育てた
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
札幌ドームは数多くの名選手を生み出し、育てた。世界一のマルチプレーヤー・大谷翔平。世界一のピッチャー・ダルビッシュ有。あのサイズ、フェンスの高さは世界に羽ばたく投手を生んだ。高めのストレートで勝負する機会を与えてくれた。
野手にとっても同様。特に外野手は広い守備範囲と強肩、走力を存分に披露することができた。BIGBOSSや森本稀哲、稲葉篤紀に糸井嘉男。札幌ドームで大成したフィールドプレーヤーは数多い。そして客席の一部となっている放送席。ファンの盛り上がりを肌で感じることができた。稲葉ジャンプは爽快だった。〝世界一しゃべる解説者〟も現れた。
ファイターズを育て、メディアも育て、スポーツとメディア、ファンを融合させた札幌ドーム。個人的に思う。日本ハムと札幌ドーム。いずれも文化と歴史をつくりながら、今後もどこか付き合いのある間柄を保っていってもらいたい。(本紙評論家)