Bリーグ
2022/09/30 23:50

【レバンガ開幕インタビュー】 佐古HC「攻撃の圧力は昨シーズンとまったく違う」

就任2年目、チームづくりに手応えを感じている佐古HC

戦力に自信「昨季より間違いなく勝ち星上積みできる」

 ―就任2年目となる今季、手応えは
 「昨季はHC就任が決まったのが遅かった事もあり、北海道の選手の事を何も知らない状態で見切り発車し、自分のイメージだけで、チームをつくり始めてしまいました。今シーズンは、新しく加入したメンバーも含め、選手の特性、良い部分、悪い部分をすべてインプットした状態で、選手補強も含め、チームづくりに取り組めました。昨季よりも間違いなく勝ち星を上積みできると思います」

 ―勝率の目標は
 「まずは5割。昨季も5割を超えられそうなタイミングが何度かありましたが、そこで勝ち星を取りこぼすという状況を繰り返した結果、失速しました。まずはしっかり勝率5割に到達する。それを達成することで、シーズン終盤、CS進出のラインが見えて来た時に勝負ができる」

 ―今季、強化したポイントは
 「昨季は2番(SG)、3番(SF)のハンドラーが足りなかったため、1番(PG)の橋本、寺園に相当な負担が掛かっていました。速い展開で攻めても、サイドからアタックできる選手がいなかった。今年はラモス、高橋、荒川に加え、モータム、マーフィーと、サイドからアタックしてポイントにつなげられる選手が増えました。ここが去年と今年のチームの最大の違いです。リムランナー(速攻時にリングに向かって走る選手)としてショーン(ロング)と(ダニエル)弾も真ん中のレーンをしっかり走れるようになり、攻撃の圧力は昨シーズンとまったく違います」

 ―身長206センチのマーフィーと208センチのモータムの役割はアウトサイドか
 「ミスマッチが発生している時など、場面に応じてインサイドもやりますが、メインセットの中に2人がインサイドに入るプレーは、いっさい入っていません」

勝敗分ける3点シュート「チームの強みにしたい」

 ―プレシーズンマッチ最後のFE名古屋戦ではインサイドから外にボールを出し、3点シュートを狙うケースが増えた
 「今季は3点シュートの割合が増えると思います。昨季はハーフコートオフェンスになるとショーンとブルックスを中心に組み立てました。でも今年は違います。他のポジションの選手もそこに加わる能力があります。特に3点シュートの決定率はゲームの勝敗に直結する。FE名古屋との2連戦では、良いアベレージを残せました。チームの強みにしたいですね」

 ―アウトサイドの攻撃力が高くなれば強力なインサイドがより生きてくるのでは
 「そうですね。3点シュートを高い確率で決める事で、相手のディフェンスがショーンの所に深くヘルプを置けない。その状況にすることが重要です」

 ―オフェンス力はリーグの中でどのくらいのポジションに位置しそうか
 「昨季は平均得点が下位でした。今季は上位8番目くらいに入りたい。そのくらい得点を取れると安定した勝ち星を得られるはずです。ただ、CSに出るには、オフェンスだけでなく、ディフェンスを頑張らなければなりません。昨季よりも平均失点を5点以上、下げたい」

 ―東地区は3地区の中で最も強豪が揃っていると言われる
 「非常に厳しい地区であることは確かです。ただ、この地区でしっかりと結果を出すという事をモチベーションにしなければCSは見えてこない。我々は伸びしろのあるチームです。強豪が揃う東地区の中で戦い続けることでチームの力を伸ばす事ができると思っています」

課題はメンタル「最後に勝つ事だけにフォーカスする必要がある」

 ―佐古HCは現役時代、いすゞ自動車、アイシンとリーグ屈指の強豪チームで活躍した。レバンガが勝てるチームになるために今足りないものは何か
 「結果を出せるチームとそうでないチームの大きな違いは、様々な部分を一つずつのコマ、コマで考え、一喜一憂してしまう点です。勝てないチームは喜ぶ時と落ちてしまう時の落差がゲームの中に多々、存在しています。勝ち星を確実に獲れるチームは、喜びも悲しみも試合の最後、1度だけ。試合に勝利する事だけにフォーカスしてプレーできる。それが本当に強いチームです。勝つことが一番のビタミンになる今のレバンガは、一喜一憂がゲーム中も多くあり過ぎて、落ち込んだ時に自分たちでどのように立ち直るのかが課題です。メンタル面を強くする必要があります。1試合40分を一つのパックとして考え、最後に勝つ事だけにフォーカスする必要があります。出だしに失敗しても40分後に追いついて勝つ。このメカニズムをチームとして持てないと、優勝は見えてこない。レバンガ北海道はチーム創設からCSに出場した経験がありません。CSを目指すには、シーズン終盤の大事な時期までにマインドも変わっていなければ、たどり着けません。ここもチームとして成長しなければならない部分です」

 ―9月3日のティップオフイベントでは、優勝を目指せるチームづくりを始めると話していた。ファンの期待も高まっているが
 「どのチームも優勝を目指していますが、ただ優勝に手が届くか否かは、シーズン終盤になってみないと分かりません。今季のシーズン終盤にならなければ、優勝への手応えをどの程度持てるのか。この手応えならあとどのくらいでチャンピオンになれる可能性がありそうなのかが見えてこない。今季1試合も戦っていない今のタイミングで何年後に優勝というのは現実的に僕の口からは言えません。ひょっとしたら今シーズン(優勝が)あるかもしれません。チームとしては1試合も落とさないつもりで戦います。全力でチャレンジし続ける。それが結果につながります。今季は躍動感のあるバスケットをお見せできると思います」

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