高校野球
2022/09/30 23:30

北照が駒苫撃破! 上林監督に秋季全道初勝利プレゼント

一回2死一、二塁、先制の右前適時打を放つ北照の阿部(左)今春からエースナンバーを背負う上川は1失点完投

▽秋季全道高校野球1回戦 北照3ー1駒大苫小牧(30日、札幌麻生)

上川&阿部のバッテリーが快勝けん引

 1回戦4試合が行われた。2大会連続41度目出場の北照は3―1で駒大苫小牧に勝利。今春からエースナンバーを背負う上川貴之投手(2年)と、この秋から初めてマスクをかぶった阿部達乃介捕手(2年)は、中学硬式の大空リトルシニア時代からのバッテリー。息の合ったコンビで強豪を1失点に抑え、就任6年目の上林弘樹監督(43)に秋の全道初勝利をプレゼントした。

 北照の上林監督の笑顔がはじけた。2017年1月に部長から監督に就任。18年から夏の南北海道大会を連覇したが、秋の全道は過去3度出場して未勝利だっただけに、「生徒が頑張ってくれて、とてもうれしいです」と声を弾ませた。中学時代からコンビを組む上川と阿部には「良いバッテリーになってきた」と成長に目を細めた。

 秋から正捕手の座をつかんだ阿部は「上川を援護してあげたい」と、バットでエースをもり立てた。一回2死一、二塁のカウント1―0から、インコースの直球を強振。打球は一塁手のグラブをはじき、右前へ抜ける先制の適時打となった。「思い切ってガツガツいくことが持ち味。真っすぐの初球は絶対に打つ」と、三回には1死満塁で初球の直球を再び右前へ運んで追加点。試合の主導権を握った。

 2人が高校の進路を決めた中学3年時、阿部が上川を北照に誘った。しかし、高校1年秋に先に背番号を手にしたのは上川。今夏も上川はエースとしてマウンドに立った。その時、阿部はボールボーイ。「悔しかった」。そこから発奮し、今秋の支部予選で2年ぶりのコンビ復活につなげた。

 支部予選が終わると、北照は天狗山の宿泊施設で3泊4日の強化合宿を行った。個人の携帯電話はいったん預け、選手同士の対話を増やして一体感の向上に努めた。札幌入りし、試合前夜もバッテリーは互いに励まし合い、初戦に向かった。

 結果は1失点完投。ゲームセットの瞬間、上川は阿部とがっちりとグラブを合わせた。試合後は「投げやすくてサインも一致していて、頼りになった」と感謝した。

 阿部の兄・汰一朗さん(19)は旭実OBで、昨秋の全道準優勝時のメンバー。「頑張れよってLINEが来た。兄の分も優勝したい」。10年ぶりの頂点へ、名コンビが導く。
 

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