例年にない手応え「オフ明けの個々のレベルが明らかに違った」

　―開幕直前、９月２８日の練習はそれまでとはガラッと雰囲気が変わった。開幕に士気は上がるか
　「誰かに何かをやらされるわけではなく、その時期（開幕）が来ることで選手自身の士気が上がっています。チームの状況は決して悪い状態でありません。選手個々が良い精神状態で開幕を迎えられそうです」

　―昨季と今季を比べ、何が変わっているか
　「チームが勝つため、ＣＳ（チャンピオンシップ）に行くために自分たちが集められたという意思、責任感をそれぞれが持っているのが大きく、そういう気持ちが練習、試合の中で感じられます。昨季と比べ、オフシーズン明けの個々のレベルが明らかに違いました。選手それぞれが去年の反省を踏まえ、マイナーチェンジしていかなければなりません。そういった作業をプレシーズンの期間にできました」

　―北海道に来て４年目のシーズン。レバンガが勝てるチームになるためには何が必要か
　「やはり勝つチームは忍耐力、我慢強さを持っています。試合中に自分達のプレーがうまくいかない時間帯は、強い、弱いにかかわらず、必ず訪れます。強いチームはその時間帯にディフェンスだったり、泥臭いシュートだったり、フリースローだったり、様々なプレーでつなぐ我慢強さを持っています。集中力がブチッと切れてしまい、１５点差、２０点差と離されてしまう事は絶対ない。どんなに流れが悪くても１０点以内でしのぎ、また流れを引き寄せて追いつける。『今日は苦しい戦いだったけど、１点勝ったね』という試合を何十試合と積み重ねる。それが強いチームだと思います。『１点差、２点差で負けちゃったね、惜しかったね』が多いチームは、下位に沈むというのを実感しています」

佐古ＨＣの教えが浸透「我慢が必要と選手みんなが分かってきている」

　―この３年で変わった部分は
　「勝てるチームの土台を何年も何年もかけてつくったチームもあります。理解している選手を集め、歴史をつくろうとしているチームもあります。自分たちは、どういうふうに強くなっていくのかをレバンガ自体が知らなければいけません。佐古さんが来て、その部分をものすごく追求していただいている。我慢は絶対に必要だよ、というのは、選手みんなの中で分かってきています」

　―プレシーズン最後の２連戦は、１試合目が１５点リードからの逆転負け、２試合目が１００点ゲームでの快勝。この２試合は何が違ったのか
　「１試合目は、選手それぞれが何をやるべきかを理解し切れていなかったように感じます。外国籍選手の合流の遅れもあり、チームとして何を大切にするのかが伝わっていなかった部分もありました。２試合目はディフェンス面の手応えが大きかった。それができていなかったから１試合目は１５点差からまくられてしまいました。その部分を改善できたのは大きな収穫です」

　―ＰＧとしてゲームのつくり方は去年と変わるか
　「（今季は）ウイングにしっかりと攻撃をクリエイトでき、点数を取れる選手がいるというのは大きい。モータム選手など経験豊富な選手も入ってきました。いろいろな意味で良いバランスでバスケットができます。自分のプレーも模索しているところです」

　―多才な選手が揃い、ＰＧとしてゲームの組み立ては楽しみではないか
　「しっかり勝たせなければいけないという責任も大きくなりますが、楽しみは増えてきました」

　―ウイングに器用な選手が増えた。自身のプレーは変わるか
　「その日、その日で違いが出てくると思います。皆の調子が良ければパスを散らしていく必要がありますが、最後は自分が攻める気持ちを持っていないと、試合で詰まった時に打開できません。前日は１０点以上取ったけど、次の試合は０点で勝ったというケースも増えるはずです。こういった幅がいろいろな形で出てくると、ＰＧとして深みも出てくるのではないかと思っています」

充実戦力で多彩な攻撃「様々な戦略をミックスできる」

　―ゲームをコントロールできる選手が増えた。自身が攻める時間も増えるのではないか
　「状況に応じて様々なプレーをできるのではないでしょうか。昨季は自分が起点になる部分が凄く多かった。今季はパスを散らしていきながら、詰まっている部分に自分が攻め込むなど、いろいろな引き出しを開ける事が可能になりました。攻撃はロング選手がキーポイントになりますが、今季は様々な戦略をミックスできるようになります」

　―ファンに一番、見てほしいポイントは
　「誰かに頼るのではなく、それぞれがヒーローになれるポテンシャルを秘めた選手が増えました。その日、その日で活躍する選手が変わっていくと思います。どんな点差になっても勝ちに持っていけるチームにしたい。それは攻撃が停滞したときにディフェンスで粘れるチームです」

　―ＣＳ進出に必要なポイントは
　「ディフェンスとリバウンドです。過去のシーズンを見ても、そこが安定しているチームがＣＳに進出しています。逆にレバンガは、その部分が下位だった。ディフェンスとリバウンドの強化は絶対に欠かせません」