11年目の初タイトル!松本剛が首位打者獲得「最後の最後は意地でも獲るぞ」右打者では球団初
■日本ハム4-2西武(2日、ベルーナドーム)
「3割5分目指して」ボス後押しに「野球の神様がまだまだだと言っているのかな」
苦節11年で、ついに大輪の花を咲かせた。松本剛外野手(29)がシーズン最終戦に「4番・DH」で先発出場。2打数無安打で途中交代も打率.347とし、右打者では球団初となる首位打者のタイトルを獲得した。
昨季まで2年連続で首位打者に輝いていたオリックス・吉田正の追い上げをかわし「いやー、めちゃめちゃホッとしましたよ」と一安心。骨折明けの左膝が万全でない中、「本当に最後の最後は意地でも獲るぞという気持ちで臨みました」と執念を見せた。
この日の試合前の時点で打率.349。「3割5分を目指してほしい」と新庄監督から後押しを受けていただけに「野球の神様がまだまだだと言っているのかなと思いました」。試合後の円陣で指揮官から「本当におめでとう」と声を掛けられ、ようやくタイトル獲得の実感が湧いてきたという。
左膝骨折乗り越えた「獲れたのは本当に自信を持っていいのかな」
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山あり谷ありの一年だった。背水の陣で臨んだ今季は、春季キャンプ終了後に2軍落ち。涙が出るほど悔しかったが、オープン戦最終盤のアピールが実り、開幕戦で4番に抜てきされた。4打数2安打1盗塁と幸先良いスタートを切り、大きな自信をつかんだ。
順調に安打を重ね、打率トップを快走してきたが、心が折れた時もあった。7月19日のオリックス戦(京セラドーム)で、自打球を受けて左膝を骨折。失意のまま自宅へ帰ると、まな娘とパグのまる子(2歳、♀)が出迎えてくれた。リハビリの一環で〝相棒〟まる子と公園へ散歩に出掛け、ぼーっと少年野球を眺める日々。沈んだ気持ちが解消され、前向きでいられた。
驚異的な回復を見せ、約1カ月で1軍復帰。困難を乗り越えて、2017年以来5年ぶりに規定打席に到達した。「(開幕時は)多分100人いたら100人、僕が首位打者を獲るなんて答えていないと思う。僕自身もそう思っていましたし、獲れたのは本当に自信を持っていいのかな」と胸を張った。
7人のタレント育成計画を掲げてきた新庄監督は「2、3日あれば人生は変わる」と常々話してきた。若いチームではベテランの域に達した松本剛が、それを証明してみせた。