ビッグボス最終戦は近藤監督、松本剛監督に一任「1年間、僕がやってきた野球を選手がしてくれるか」
■日本ハム4-2西武(2日、ベルーナドーム)
九回にスクイズを選択した松本剛「あの緊張感、やばいッス」
ラスト一戦で、前代未聞のサプライズ起用がさく裂した。新庄剛志監督(50)が控えに回った近藤とスタメンDHで途中交代した松本剛に指揮権の一部を〝譲渡〟。自らはベンチの隅っこに座り、選手主導の攻撃を静かに見守った。
「1年間、僕がやってきた野球を選手がしてくれるか」と考え、大黒柱の2人を〝監督代理〟に指名した。伝えたのは試合前の練習中だった。九回1死三塁の場面では、梅林の打席でスクイズを選択。結果は失敗だったが、首脳陣の目線を経験させることに大きな意味があった。
プレーの質向上願う「打席で何とか成功させようという気持ちになってくれたら」
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新庄監督は楽しそうに振り返った。「松本君が『ボス、スクイズを出した時のあの緊張感、やばいッス』と(話していた)」。いつも置かれた状況を瞬時に判断し、最善の一手を決断する。サインを出す側の心理を知ることで、プレーの質が向上するとみており「打席で何とか成功させようと。そういう気持ちになってくれたらうれしい」と期待を込めた。
春のオープン戦では上沢と近藤が監督代行を務め、先発オーダーを決めた。順位決定後とはいえ、今回は重圧のかかる公式戦で、采配の一部を任せた。戦術を用いる局面はそれほど多くなかったが、近藤、松本剛は苦労しながら知恵を絞り、チームに白星をもたらした。
9月28日の本拠地最終戦で「ビッグボス」は1年で卒業し、来季は新庄剛志として戦うことを表明した。就任以来、野球界の常識を覆し、周囲のド肝を抜いてきた「ビッグボス」は、破天荒にシーズンを締めくくった。