川崎戦4-3劇的逆転の要因《平川弘のCoolEye》
家長抑え、取り戻した中盤の主導権
天敵と言ってもいい川崎に対し、1日は4―3の劇的逆転勝利を挙げた札幌。スリリングなゲームの流れ、選手のパフォーマンスともに、今季一番面白い試合であった。厚別という場所が何かをもたらしたのだろうか。
川崎はFWレアンドロダミアン、MFチャナティップらが故障。DF谷口、山根が代表のドイツ遠征帰りでスタメンから外れた。主力が揃わなかったことも多少はあるが、それでも王者は王者だ。今回もFW小林が途中から出て来て、まさかの3点目を叩き込んだ。普通ならこれでゲームは終わりなのだが、この日の札幌は巻き返す力が残っていた。
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警戒していた小林にはやられたが、キープレーヤーのMF家長を抑え込むことができていた。いつもなら2―3となってから畳みかけられるが、家長を自由にさせなかったことで、中盤の主導権を取り戻せる雰囲気を選手も感じていたと思う。
特に川崎戦ではMFルーカスの働きが大きく、3得点に絡んだ。FWシャビエルの同点ヘッドは難度が高かったが、ルーカスのギリギリの突破がなかったらゴールはなかった。さらに相手MF橘田が退場になり、数的優位に立ったことで王者を土俵際まで追い込めた。
ポリバレントな選手揃える札幌の強み
札幌も前半にMF荒野をけがで欠いて苦しい台所事情は変わらないが、ポジションや人を柔軟に変えながら可変的に戦うのはペトロビッチ監督の真骨頂。ポリバレントな選手を揃えている札幌の強みであろう。