《2022新庄式を解く③》2軍の目標は「1軍の優勝」 上昇志向が常勝の礎に
木田2軍監督が1軍首脳陣と密に連携
今季からファームを率いる木田監督は、2軍チームの目標を「1軍の優勝」に定めた。〝総大将〟の新庄監督ですら「優勝は目指さない」と宣言していた。驚きのスローガンだ。
落ち着いて考えれば、当然かもしれない。2軍が主に担う役割は、若手の育成、1軍主力の再調整、けが人の実戦感覚を戻すことなど。全ては「1軍の優勝」のためにやっていることだ。
支配下全員が昇格経験 芽生えた高いモチベーション
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だからこそ、今季の2軍戦は目に見えて、昨季までと変わった。1軍の指揮官が代わったのだから、優勝を目指すための方法も変わる。木田2軍監督は1軍首脳陣と密に連絡を取り合い、作戦に〝ビッグボス流〟を多く取り入れた。
意図的にエンドランを増やしたことで、巨人の川相ファーム総監督からは「おまえ本当にエンドラン好きだな」と笑われたという。それでも「1軍がエンドランとか、いろんな作戦を多用していくのは分かっていた。なるべく対応できるように、ファームでもいろんなことをやった」とブレずに1年間、貫き通した。
2軍には2つ目の目標もあった。「来季以降、チームが勝ち続けるための土台づくり」。ビッグボスが開幕前に全選手を1軍で起用すると公言したこともあり、鎌ケ谷の〝BOSS組〟はモチベーション高く、日々の練習に取り組んだ。実際にガント以外の支配下全選手が1軍の舞台に立ち、若手が“プロ初”を味わった。2軍で鍛え、1軍で試すことができた今年の経験は、チームの大きな財産になったはずだ。
ドラ1右腕の達は「1軍と2軍のレベルの差を実際、肌で感じた。細かい課題や目標が定まった」と口にした。新球場で常勝軍団を築くための布石は、各所に打たれていると言っていいだろう。