冬季スポーツ
2022/10/05 23:15

雪印メグミルクスキー部が必勝祈願 エース・佐藤幸椰 不振脱却でW杯個人総合トップ10入り狙う

北海道神宮で必勝安全祈願を行った雪印メグミルクスキー部。エースの佐藤幸(後列左端)は新たな板を克服し、W杯個人総合トップ10入りを目指す(撮影・西川薫)

 雪印メグミルクスキー部の選手、スタッフが5日、北海道神宮で必勝安全祈願を行った。ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪に向け、新たな4年間が始まる最初のシーズン。2月の北京五輪にも出場したエース・佐藤幸椰(27)は、サマーグランプリ出場2試合で最高41位。今季から新たな計測方法により、6センチ短くなったスキー板への対応に苦戦中だ。W杯派遣メンバーを選考する21日からの全日本選手権(長野・白馬)へ、ホーム・大倉山で復調を期す。

新ルール適用で板6センチ減 夏シーズンは成績残せず

 佐藤幸がいつになく危機感を口にした。「個人としては、成績が示すとおり全く順調じゃない。夏のシーズンはチームとしても近年にないような成績」と、エースとしてチームをけん引しなければいけないという強い責任感も感じさせた。

 4日に遠征先から帰国したばかり。夏の初戦となったオーストリア・ヒンツェンバッハ(NH)では、予選を35位で通過も本戦は2回目に進めず41位。第2戦は今季から使用する新しい板で臨んだが58位で予選落ち。「手を抜いてるつもりはないですけど、成績が全て」と悔しさを吐露した。

 なかでも第2戦は新ルールの影響をもろに受けた。スキー板の長さを決める身長の計測方法が、立った状態から仰向けの状態でレーザーでの測定に変更。結果、昨季より4センチ減の155センチになり、板の上限は6センチ減の225センチとなった。第2戦は公式練習を含めて3本飛んだが「全然、違う。フィーリングが別もの。器用な方でもないので、その辺の不器用さが露骨に出た」。W杯開幕戦までに本数を重ね、新たな板をしっかりと自分のものにしていくつもりだ。

岡部監督「これが冬に向けての起爆剤になってくれれば」

 岡部孝信監督(51)は「ふがいないサマーシーズンを過ごしてしまった。これが冬シーズンに向けての起爆剤になってくれれば」と奮起を促す。夏の遠征にはチームから佐藤幸ら4人が参戦。「4人とも(W杯に)出したい。試合前のコンディショニングなどを見つめ直して、冬に挽回したい」と巻き返しを図る。

 佐藤幸は今季の目標にW杯個人総合でトップ10入りを掲げる。2020―21シーズンは11位、昨季は13位。「ここからはい上がって、三度目の正直を達成させます」。復調のきっかけをつかみ、上昇気流に乗ってみせる。


新主将・栃本「選手が伸び伸びやってくれる環境が一番」

 昨季で現役を引退した伊東大貴コーチ(36)の後を受け、栃本翔平(32)が新主将に就任した。「各選手が伸び伸びやってくれる環境が一番。スタッフとも話して、選手個人の意見も取り入れられるようにしたい」。9月に行われた長野・白馬での合宿中に、岡部監督を交えて1時間以上のミーティングを実施。今後も月に一度は行う予定だ。自身の状態については「夏場は、用具の変更などを試して良い感覚がある。早く冬のシーズンに入りたい。ここ数年では割といい感覚」。チームをまとめながら、W杯メンバー入りを狙う。

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