DF西野 クラブ最速の高2でプロ契約 「覚悟を持って取り組みたい」
北海道コンサドーレ札幌は30日、札幌U―18のDF西野奨太(17)ときょう1日からプロ契約を締結すると発表した。高校2年でのトップ昇格はクラブ史上初めて。高校在学中にプロ契約を結ぶのも初めてのケースとなる。北海道とともに、世界へ―。金の卵がクラブスローガンを体現する。
クラブ史上最速の決断が、期待の大きさを表している。トップ昇格内定ではなく、プロ契約締結。三上GMは「荒野や菅も高校生からトップチームに参加していたが、給料をもらってのプロ契約は今回が初めて」とその価値を説明した。
きょうからプロ生活をスタートさせる西野は「素直にうれしい。これから、より責任と覚悟を持ってサッカーに取り組みたい」と凜(りん)とした表情で話した。
2種登録選手として、すでに7月7日の天皇杯・長崎(J2)戦でデビューを果たした。プロと対峙(たいじ)しても見劣りしない対人の強さが持ち味で「夏前くらいにはすでに、クラブの評価は高校生のレベルを超えてしまっている印象だった」と三上GM。ペトロビッチ監督も「見る度に成長している」と高評価を与えていた。
今後はトップチームの活動を最優先させる。ユース年代の大会にも引き続き参加は可能だ。9月末で札丘珠高を退学。通信制の飛鳥未来高へ編入し、サッカーに集中する環境も整えた。「ユースからトップへの昇格がずっと目標だった。いち早くコンサドーレのトップチームに上がってプレーしたい思いだった」。急成長で夢をかなえた。
目標とする選手には主将のMF宮沢の名を挙げ、「まずはコンサドーレで主力になって、北海道を代表して世界で戦える選手になりたい」。才能豊かな道産子が、赤黒の伝統と誇りをつないでいく。(石栗賢)
■プロフィール
西野 奨太(にしの・しょうた)2004年5月28日、札幌市出身。5歳でサッカーを始め、小学3年から札幌U―12へ。その後もU―15、U―18と札幌ユース一筋。今年7、8月に行われたクラブユース選手権では札幌U―18の準優勝に貢献。7月7日の天皇杯・長崎戦でプロデビューを飾った。今年はU―17日本代表にも選出された。181センチ73キロ、DF。利き足は右。
■DF福森 完全合流
○…右膝内側側副靱帯(じんたい)損傷で離脱していたDF福森が29日から完全合流した。9月5日のルヴァン杯・FC東京戦で負傷交代。別メニューが続いていたが、30日も対人を含むフルメニューを消化した。「まだ多少、痛みはあるが、やりながら引くと思う」。あす2日のG大阪戦への出場については「監督の判断になる。出ることがあれば、100%の準備をする」と試合復帰へ意欲を示した。