今年の1位指名は日体大の二刀流・矢沢! リードオフマンタイプ&152キロ左腕
10・20ドラフト会議向け球団が公表
日本ハムは11日、20日に行われるプロ野球ドラフト会議で日体大の矢沢宏太投手(4年、22)を1位指名すると公表した。千葉・鎌ケ谷の球団施設で取材に応じた稲葉篤紀ゼネラルマネジャー(GM、50)が明らかにした。プロ入り後も投打でのプレーを希望する大学球界の二刀流選手を、今年のNO.1、そして「オンリーワン」の存在と評価。二刀流のパイオニア・大谷翔平投手(28)を生んだチームで、新庄剛志監督(50)の下、夢は膨らむばかりだ。
NO.1でオンリーワンの選手
球団がドラフト戦略に掲げる「その年のNO.1選手を指名する」。そして唯一無二を意味する「オンリーワン」という言葉がピタリと当てはまる二刀流選手に白羽の矢が立った。
スカウト会議後、稲葉GMが「1位は日体大の矢沢選手でいきます」と明言。「走攻守、投と各部門においてポテンシャルも高いですし、球団の方針であるNO.1、またオンリーワンである選手をぜひ獲得したい。二刀流も三刀流もできる選手ですから」と続けた。
矢沢は今秋のドラフト1位候補として注目されている左投げ左打ちの逸材。投手としてはMAX152キロをマークする本格派左腕で、打っては50メートル5秒8の俊足でリードオフマンタイプ。首都大学リーグでは投打で主力を担い、中止となった今年3月の台湾との強化試合では侍ジャパンのメンバーにも選出された。
本人は投打継続希望 大渕スカウト部長「受けようじゃないか」
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プロでの二刀流継続を後押しする。かねて新庄監督は「僕は野手でお金をもうけた方がいいかなと思う」とコメント。球団も野手として高く評価していたが、大渕GM補佐兼スカウト部長によると「実は最近、本人に確認をとって、投げて打って走りたいと非常に強い希望があった」と言う。
すべてで一流になりたい矢沢の熱い思いに呼応。同スカウト部長は「われわれとしてはもし縁があったらそれ(希望)を受けようじゃないかという流れがあった。彼の強いコメントを聞いて魅力がさらに上がった」と説明した。
新庄監督のアイデアで想定外の起用法も!?
日本ハムはエンゼルスで二刀流としてプレーする大谷を育てた実績があり、今季からは上原も実践している。稲葉GMは会議に参加しなかった新庄監督にも報告したことを明かし、「ボスは足の速い選手が好きですから。どの部門でも1軍としてやっていける能力はある」。入団した場合の起用法について同スカウト部長は「本人の意思とボスのアイデアと。わたしたちが今思うこと以上の、想定外のことをまた考えてくれるかもしれない」と期待を込めた。
競合になった場合のくじ引き役は、予定通り新庄監督が担う。「オンリーワン」の二刀流選手誕生なるか。北の大地で、新たなドラマが幕を開けるかもしれない。
■プロフィール
矢沢 宏太 (やざわ・こうた) 2000年8月2日生まれ、東京都出身。173センチ、70キロ。左投げ左打ち。投手。神奈川・藤嶺藤沢高では1年秋からエースナンバーを背負う。3年夏は南神奈川大会8強。日体大では、首都大学リーグで投打二刀流として活躍。2年秋には打率.368をマークし、ベストナインを受賞。3年春には5試合に登板し、3勝2敗、防御率0.90を記録した。3年秋には投手部門でベストナインを受賞。リーグ通算では投手として7勝5敗、防御率1.59。野手として打率.265、4本塁打、17打点。