高校野球
2022/10/12 23:25

秋季全道高校野球 クラークが秋連覇!ラスト円山で北北海道地区初の快挙

延長十回の熱戦を制して2連覇を決めたクラークナインは喜びを爆発させた(撮影・桜田史宏)

■秋季全道高校野球 最終日 クラーク3-1北海(12日、札幌円山)

 秋の円山最後の王者だ―。決勝でクラークが延長戦の末に3―1で北海を下し、2016年の札第一以来6年ぶりの連覇。北北海道地区としては初の快挙となった。準決勝まで3試合全て完投してきたエース新岡歩輝投手(2年)が、10回1失点の力投を見せると、打線が延長十回に2点を勝ち越して逃げ切り、来春の選抜甲子園出場を確実にした。11月18日に開幕する明治神宮大会で全国初勝利を目指す。

エース・新岡10回1失点139球の力投 3年生からの期待にも応えた

 エース・新岡が決勝でも右斜め、横手、下手と変幻自在投球を貫き、自己最多となる139球の力投。最後は駆け寄った仲間とマウンドの中心で歓喜の輪をつくった。

 「3年生から『連覇しろよ』ってずっと言われてきたので、達成できてうれしい」。整列後は先輩たちが手を振る三塁側スタンドへ、何度もガッツポーズを繰り出した。七回に先制弾を浴び、支部予選からの自責0は連続44イニングで途切れたが、防御率は驚異の0.18を誇った。

不振続いた中村が流れ呼び込む同点打&ダメ押し打

 八回、劣勢を覆したのは、支部3試合で1安打と極度の不振に陥っていた5番・中村光琉一塁手(2年)だった。2死一、二塁。甘い直球に食らいついて中前に同点打を放ち、好投するエースを強力援護した。

 さらに延長十回。2死二塁から4番・麻原草太捕手(2年)の打球が相手失策を誘い、ついに1点勝ち越し。なおも2死二塁の得点機で打席が回ってくると「もう1点取れば大きい。外野の守備が前だったので、上を越えられたら」と、内角直球を思い切り振り抜き、ダメ押しの右越え適時二塁打で勝負を決めた。

 中村は昨秋の明治神宮大会と今春の選抜甲子園ではメンバーに入ったが、夏はベンチ外。新チームになって背番号7を手にするも「支部では全く打てなかった」。全道大会前には、3年生の山中麟翔投手と辻田旭輝投手が打撃投手を務めてくれた。全道初戦と準決勝で2安打と復調し、決勝戦でも3安打2打点と主軸の役割を果たした。

佐々木監督は30年ぶり連覇「新岡信じていた」

 佐々木啓司監督(66)は「連覇はうれしい。新岡がここまでやってくれると信じていた。約束を果たしてくれた」と手放しで褒めたたえた。主将も務める新岡は、秋の全道抽選会出席後、車中で指揮官から「昨年勝てなかった甲子園の1勝を2人で取りに行こう」と、約束を交わしていた。

 さらに佐々木監督は、駒大岩見沢監督時代を通じて10度目の秋季全道優勝。1991、92年には連覇も達成している。新岡は「30年前に2連覇したことがあって『自分たちにも巡り合わせがあるんだよ』って聞かされていた。約束を果たせてうれしい」と、2年連続での胴上げを実現させた。

 忘れ物を取りに行く。昨年の神宮大会と今春の選抜甲子園は初戦敗退。中村はベンチ入りも、出場はなかった。「今度はしっかりとチームに貢献したい」。時には投手も務める背番号7が、来年4月に創部10年目を迎える部の歴史に、新たな1ページを刻み込む。

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