《10・20 指名待つ道産子》①菊地吏玖投手(専大ー札大谷高)前編
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プロ200勝目指すMAX152キロ右腕
20日、プロ野球ドラフト会議が都内で行われる。13日には広島が苫中央高の151キロ右腕・斉藤優汰投手の1位指名を公表するなど、今年も道内関連の注目選手が多数。その中から、3選手を紹介する。第1回は、東都2部・専大の152キロ右腕・菊地吏玖投手(札大谷高出)。札大谷高では1年春からエースナンバーを背負うなど注目を浴びたが、甲子園には届かなかった。プロ入り後の目標は200勝投手だ。
12球団から調査書「ちょっとソワソワ」
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侍ジャパン大学代表の菊地に届いた調査書は、全12球団。希望は支配下一本で、育成でのプロ入りは頭にない。ワインドアップから放たれる、最速152キロの力強い直球に加え、ツーシーム、スライダー、フォーク、カーブと多彩な変化球を自在に操り、開催中の秋季リーグ戦では現在2勝をマーク。目前に迫った運命の日を前に「ちょっとソワソワだったり、どこになるのかな? という気持ちでいっぱいです。目標としては200勝投手ですけど、一番はファンに愛され、惜しまれながら引退できる選手になりたい」と、大きな夢を抱く。
少年野球の苫小牧・拓勇ファイターズ時代は、投手兼捕手。中学硬式の苫小牧中央BBCに入ると「投手は目立つ。目立つのが好き」と即答で投手一本に専念した。
1年春に背番号1もケガに泣いた高校時代
札大谷では、1年春にいきなり背番号1を背負い、全道1回戦で完投勝利。ところが試合中に右手首を痛め、2回戦以降は欠場。初優勝した決勝のマウンドに菊地の姿はなかった。その夏、今度は右肩を負傷。そこから2年夏の支部予選まで約1年間、公式戦登板から遠ざかった。船尾隆広監督(51)は「投げられなくて、悔しい思いをしていた。本人がすごく気にしていて。お互い我慢しながら」と、再びマウンドに立てる日を信じて自らの体と向き合い、辛く長いリハビリ生活を過ごした。
2年秋にエースに復帰。3年夏の南大会1回戦・札光星戦では、四回まで3―0でリードしていたが降雨ノーゲーム。翌日の再試合では9失点敗退で号泣した。当時、最速144キロの直球にプロのスカウトも注目していたが、すでに春の段階で大学進学を決意。「あの時点である程度(上で)やってけるのかなと。少しずつ体も大きくなりましたし、ボールの力もついた」と、熱心に声をかけてくれた、当時東都2部の専大への進学を決意。成長の舞台は〝戦国〟に移っていった。
■プロフィール
菊地 吏玖(きくち・りく) 2000年6月13日、苫小牧市生まれ。苫小牧拓勇小2年で野球を始める。苫青翔中では苫小牧中央BBCでプレー。札大谷では、1年春にエース。3年夏は南大会1回戦で再試合の末に敗退。東都2部の専大に進み2年秋にリーグ戦初登板。3勝して最優秀防御率(0.31)をマーク。4年春にも最優秀防御率(1.20)とベストナインを受賞。今秋はここまで4勝。最速は152キロ、変化球はカーブ、スライダー、フォーク、ツーシーム。183センチ、94キロ。右投げ左打ち。家族は両親と妹。