日本ハム1位公表の矢沢「すごくワクワク」 20日運命のドラフト
日本ハムからドラフト1位指名を公表されている日体大の矢沢宏太投手(22)が18日、同大で合同取材に応じ、20日に迫ったドラフト会議を前に心境を明かした。投打両面でハイレベルな実力を持つ二刀流プレーヤー。高校3年時には指名漏れを経験したが、大学4年間で大きく成長を遂げた。今は緊張よりもワクワクした気持ちで、運命の日を待っている。
高校での指名漏れを糧に成長
野球人生の分岐点が目前に迫っても、矢沢は気負うことなく自然体だった。詰めかけた報道陣を前に、表情は柔らかい。大学4年間が充実していた証拠だ。
「あさって(20日)に向かってすごくワクワクが増しています。高校のときに指名漏れしてしまったので、大学では走塁、守備、打撃、投球、全て成長するんだという気持ちでやってきました」
夢の実現を亡き父の墓に報告へ
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
神奈川・藤嶺藤沢高3年時にプロ志望届を提出するも、指名漏れ。さらにその2カ月後、父の明夫さんが心臓発作で急逝した。
「後から聞いた話ですけど、僕が載っている雑誌とかを、会社に持って行っていろんな人に見せていたみたい。自分のドラフトに期待していた。お墓参りで、プロに行けましたと報告したい。今でも(父の死は)そんなに実感はなくて、その分、お母さんが頑張ってくれているし、お姉ちゃん、おばあちゃん、たくさんの方に支えてもらって、何不自由なく野球ができている。そういういろんな人のためにも頑張りたい」
新たな二刀流「外野→中継ぎ→外野」をイメージ
最速152キロを誇り、50メートル5秒8で走る俊足を武器に安打を量産する二刀流。プロではエンゼルス・大谷とは違う、矢沢流の新しい形を模索していくつもりだ。
「最初に外野で出て、中継ぎで投げて、戻ってというのもやってみたい。僕は肩ができるのも早い方だと思う。試合前の段階で、外野手で出るにしろ、肩はできた状態で試合に出る。問題ないと思います」
プロになれる〝勘違い〟でドラフトまで到達
座右の銘は「勘違いの才能を持て」。小学生の頃にコーチから言われた言葉を、今でも大切にしている。
「プロ野球選手になりたいんだったら、なれると思って練習しろと。周りから『おまえなんか無理だよ、体小さいし』と言われることもたくさんありました。それでも自分がなりたいなら、勘違いしてでも、そう思ってやり続けるということ。今思えば、勘違いして野球をやり続けたことで、ドラフトにかかるレベルまで来られたのかな」
プロでの二刀流も、懐疑的な声が耳に入っている。それでも矢沢は「できる」と信じている。「10・20」は、それが勘違いではないことを証明するスタート地点だ。