二刀流より「僕は僕」唯一無二の〝矢沢流〟目指す ドラ1左腕に稲葉GMが指名あいさつ
二刀流より矢沢流! 20日のドラフト会議で日本ハムから1位指名された日体大の矢沢宏太投手(22)が21日、同大で指名あいさつを受けた。プロ入り後も投打で一流を目指すドラ1左腕。憧れの稲葉篤紀GM(50)から、唯一無二の「矢沢流」をつくるよう激励され、オンリーワンの選手になる決意を固めた。大谷翔平投手(28、エンゼルス)とも違う、矢沢にしかできないプレーを追い求めていく。
大谷とは違うオンリーワンな二刀流プラン模索
自身の気持ちと球団の願いは、完全に一致していた。あいさつに訪れた稲葉GMから「オンリーワン。矢沢流を目指して新しいものをつくっていこう」と熱く伝えられ、心を躍らせた。
「僕は二刀流というより、今まで通りの野球をやっている感じ。それをどう表現したらいいのかなと思っていた。僕は僕、と思っているので(矢沢流という)言葉をもらってすごくうれしかったです」
稲葉GMはテレビ越しに見ていたスターだ。日体大野球部で東京五輪のボランティアをした際、練習サポートで姿を目にしたことはあったが、対面は初。「(校舎の)外で見えた瞬間、すごく格好良いなと思いました。稲葉ジャンプはテレビカメラが揺れるほど球場全体が一体となっていてすごかった。僕もたくさんの人に応援される選手になりたい」と目を輝かせた。
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憧れの人からもらった「矢沢流」というメッセージ。22歳の胸に強く響いた。具体的にどんな起用法が考えられるかは、これから首脳陣とみっちり話し合う予定だ。
大学では投手から外野、DHから投手、右翼から投手など、試合の中でさまざまなポジションチェンジを経験してきた。「どうしても比べられることも多い」という大谷とは違う新たな二刀流のイメージは、すでに頭の中にある。
稲葉GM「新しいファイターズの歴史をつくってほしい」
稲葉GMにとっては、矢沢が現職に就いて最初のドラ1選手。会議当日の心境を「しびれましたね。名前を読み上げてもらった瞬間に血が騒ぎました。どこも指名せず、本当にうれしかった」と振り返った。そして「わくわく感が魅力。新球場元年のドラフト1位は、ずっと名前が残る。新しいファイターズの歴史をつくっていってほしい」と力を込めた。
22日には、勝てば優勝が決まる首都大学リーグ・桜美林大戦に出場予定。先発が予想される左腕は「1位指名にふさわしいプレーができるように、あした(22日)の試合もその先の関東大会も頑張っていきたい」と意気込んだ。
お祝いムードはここまで。まずは4年間所属したチームを頂点に導き、矢沢流への第一歩にする。
大渕スカウト部長も期待「彼が今年のナンバーワン」
藤嶺藤沢高時代の矢沢を担当していたのは、大渕スカウト部長だった。当時は指名漏れも、日体大進学後の成長は目を見張るものがあり「確信を持って彼が今年のナンバーワンであり、われわれのオンリーワン」とあらためて断言した。スカウト目線でも起用法のバリエーションは豊富。「スターターとして1回放ってすぐ守りに就くとか、いろんな方法がある。一緒に考えていける。ワクワクする選手」と期待は膨らむばかりだった。