高木美帆 女子1000メートル6連覇で3冠達成 スピードスケート全日本距離別選手権
▽スピードスケート全日本距離別選手権 最終日(23日、長野・エムウェーブ)
小平さん引退で孤高の領域に
女子1000メートルは高木美帆(28、日体大職、帯南商高出)が1分14秒63で6年連続6度目の優勝を飾った。1500メートル、3000メートルと合わせて3種目制覇となった。また、日本スケート連盟はW杯前半戦4大会の代表メンバーを発表した。
女子1000メートルの号砲で飛び出した高木の動きは、やや鈍かった。「出だしでスピードに乗れなかった」とゴール直後は小さく首をひねる。だが中盤以降に持ち味発揮で圧勝の6連覇。競い合った小平奈緒さんがいなくなり、いよいよ孤高の領域に入った。「もっと成長したいと思う機会になった」と語った。
スタート納得いかず「仕上げ切れていない」
「仕上げ切れていない」というスタートがかみ合わなかった。金メダルの北京冬季五輪は17秒60だった最初の200メートルで、この日は全体4位の18秒14を要した。「氷をはう感覚がつくれなかった。姿勢が数ミリ高いような感じ」と苦笑いしたが、終わってみれば2位に1秒23もの大差をつけた。
ナショナルチームを離れ、今季は個人で練習する。数々の勲章を得たスケーターの原動力は「過去の自分より速くありたい」との思い。だからこそ「反省点は収穫と同じ」と伸びしろと捉える。
取材エリアでは、右手をまっすぐ前へ伸ばし「こういうふうに、ぐーんと進む感じがない」と笑みも交えながら違和感を丁寧に説明。新たな環境で生き生きと滑りを追求するエースは「どう改善していけるか、突き詰めていきたい」と意欲をみなぎらせた。
◇W杯派遣メンバー
▽男子 森重航(専大、別海上風連中出)、村上右磨(高堂建設、帯工高出)、山田和哉(高崎健康福祉大―池田高)、小島良太(エムウェーブ)、野々村太陽(専大―白樺高)、蟻戸一永(専大―白樺高)、山田将矢(ウェルネット、池田高出)、一戸誠太郎(ANA、美幌北中出)、土屋良輔(メモリード)、伊藤貴裕、土屋陸(以上白銅)、菊池耕太(恵仁会)
▽女子 高木美帆(日体大職、帯南商高出)、稲川くるみ(光文堂インターナショナル、帯三条高出)、曽我こなみ(日本ハウスH&R)、宇佐見鈴音(開西病院、帯農高出)、山根佳子(登寿ホールディングス、帯柏葉高出)、佐藤綾乃(ANA、釧北陽高出)、堀川桃香(富士急―白樺高)、菊池純礼(富士急)、小野寺優奈(富士急、帯南商高出)、神長汐音(全日空商事)