《大海の部屋》初球宴で大ピンチ…「焦りました」プロ2年目のシーズン裏話を話します
日本ハム・伊藤大海投手(25)の連載手記「大海の部屋」 今回はプロ2年目のシーズンを振り返ります。チーム状況が苦しい中、自ら考案した験担ぎ「デイリー優馬」の厳選ショット2枚を大公開。初選出となった今年のオールスターで起きたアクシデントなど、シーズン中に起こった知られざる裏話もつづりました。
中継ぎで始まり、抑えで終わったシーズン 2年連続10勝も無難な1年
ファンの皆さん、1年間応援ありがとうございました。個人的には2年連続の2桁勝利をマークすることができましたが、10勝は最低限。成績に納得はしていませんし、無難な1年だったと感じています。
今季最初の登板は、3月25日のソフトバンクとの開幕戦。プロ入り初の中継ぎでした。開幕1週間前に起用法を伝えられ、びっくりしました。その後は先発に戻りましたが、シーズン終盤には抑えも経験しました。試合の最後を締めくくるというのは、いろんな人の生活がかかった大事な1イニングなので、特に重要なポジションになります。新庄監督は自分にいろいろ気付かせてくれるために、チャンスをくれたのかなと思っています。
「デイリー優馬」で験担ぎ モザイクアート完成へ 頼むぞ野村&清宮
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ここからは、シーズン中の裏話を―。
僕らの中で『デイリー優馬』と呼んでいる験担ぎがありました。始まりは、今川(優馬)さんの顔がめちゃくちゃむくんでいる日に僕が体調管理に使っているタブレットで写真を撮って、みんなが面白がったことがきっかけでした。その日に試合に勝ったこともあり、チームの流れが悪い時にやるようになりました。
顔がスッキリしている日もあったり、コンディションが日によって違うのですが、いつも良い表情をしてくれる。写真の明るさも毎回変えていて、全てタブレットに保存されています。杉谷さんと写真を集めて今川さんのモザイクアートを作る計画をしているので、来年は撮影を野村、清宮に託します。
新千歳から福岡へ…財布がない!期間中はキャッシュレス生活
意外と攻めた行動はしない僕ですが、初出場した7月のオールスターゲームで今年イチ?!の事件が起きました。第1戦が行われた福岡へ向かう途中、新千歳空港で財布を忘れたことに気が付きました。直行便は1日1本しかなく、飛行機を変更できなくて焦りました。
オールスター期間中は財布がないまま、スマートフォンに入れていたQUICPayとクレジットカードだけで生きていました。乗ろうとしたタクシーが現金しか使えなくて、2台くらい呼び直したり…。次の遠征先だった仙台で、ホテルに届けてもらった財布と再会できた時は、正直ほっとしました。
加藤さんのポーカーフェースは試合だけ 上沢さんとの掛け合いはまるで漫才コンビ
シーズン中は同じ先発投手の加藤さん、上沢さんと過ごすことが多いです。球場では、ご飯もお風呂も同じタイミング。おちゃらけている2人を僕はいつも笑って見ています。加藤さんがボケて、上沢さんが鋭いツッコミを入れていく。準備していたのかな、と思うくらいツッコミが速くて驚かされます。
移動中の空港で、即興漫才が始まることもあります。すぐどちらかがボケるんです。コンビを組んでお笑いをやったら、結構いいところまで行くと思うほど面白いです。そんな2人にいつも楽しませてもらっています。
その一方で、試合に入っていく時の切り替えがすごい。加藤さんのポーカーフェースは、投げている時以外に見たことがないです。おごらない姿勢を見習い、先輩たちに近づけるよう頑張っていきます。
(伊藤大海)