強敵相手に勝ち点7 残留確定させたルーカスの大仕事《平川弘のCoolEye》
あと1試合を残してJ1残留を確定させた札幌。これで来季、7年連続でJ1を舞台に戦うこととなった。今季は、アジア・チャンピオンズ・リーグ出場(リーグ3位以内)が目標の一つにあったと思うが、しっかり足元を見て戦うことの重要さを思い知らされた。一つ歯車が狂うと、まだJ1で安定した力を発揮するのは難しい。
それでもネガティブになる必要はない。福岡に1―2と逆転負けしたものの、横浜M、川崎、広島といった強敵を相手に勝ち点7(2勝1分)をゲット。札幌の力は評価に値する。
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攻守の切り替えが主でカウンターを狙ってくる堅守速攻のチームに対しては、もろさを露呈する場面がある。一方で、札幌と同じくポゼッションしてくる相手には、がっぷり四つで打ち合いができる。
広島戦(2―1)では札幌の攻撃の特長がよく出ていた。FW興梠の先制点は、MFルーカスが奪ったボールをつないだ。守から攻へ、素早く切り替えられたカウンターだった。
2点目は、これまたルーカスのサイドチェンジで幅を大きく使うことができた。FWシャビエルが落とし、MF宮沢が飛び込んだ。3人目の動きによる連動した崩し。どちらもルーカスが重要な働きをした。
リーグ終盤に札幌が一皮むけた。彼の好パフォーマンスによるものとも言える。最終節は、残留を懸けて必死にくる清水が相手。その逆手を取って、どれだけ崩せるか。来季につながるゲームにしてもらいたい。(本紙評論家)