空自千歳10年ぶり全国も初勝利ならず 王子の道産子右腕に1-4完敗 社会人野球日本選手権
■社会人野球日本選手権 第4日 航空自衛隊千歳1-4王子(2日、京セラドーム大阪)
10年ぶり2度目の出場となった航空自衛隊千歳は1―4で王子に完敗し、初の全国1勝を果たせなかった。研修で4選手を欠く中、道予選同様に福井一気監督(29)ら4人の指導者も選手登録して臨んだ。相手の最速150キロ道産子右腕・高島泰都投手(22、滝川西高出)の前に五回まで無安打と苦しんだが、六回に今野克則左翼手(22、札第一高出)の左犠飛で全国初得点を挙げて意地を見せた。
六回に今野が意地の初得点「返そうと必死に食らいついた」
全国初勝利は持ち越しとなった。3点差で迎えた九回1死一、三塁。一発が出れば同点の場面も最後は遊ゴロ併殺でゲームセット。福井監督は「必ずしもかなわない相手ではなかったという手応えもあって、余計に悔しい。都市対抗の出場はまだないので、まずはそこ」と、目標を都市対抗に切り替えた。
六回はそれまで無安打に封じ込まれていた打線がようやく反撃開始した。四球で出た走者を一塁に置き、9番・浜田恵多二塁手(25)がチーム初安打となる右前打で1死一、三塁。得点圏に走者を進めると今野の左翼線際への浅い飛球で三走・岸本大志一塁手(27)が生還。今野は「あれは自分の打点というよりは、岸本さんが走ってくれたおかげ。自分は返そうと必死に食らいついただけ」と、記念すべき全国初得点につなげてみせた。
今野は九回にも無死一塁から好機を広げる安打をマークしたが、勝利に結びつかなかった。「全国の勝利は遠い。石井主将もエース格の三栖さんもいなくてハンディはありましたけど、そこを補うように一人一人練習してきた。もっとやれたはず」と悔しがった。
道予選は全戦逆転劇 全国でも勝負強さの片りん見せた
道予選は3試合全てを終盤の逆転劇で勝ち上がってきた。その勝負強さの片りんは、全国の舞台でも見せることができた。全国でも珍しい自衛隊野球部が、この敗戦を糧に長い冬を越え、来年はさらに飛躍してみせる。