エスコンフィールド完成目前 天然芝の張り付け完了で進捗95% 夢の球場の内部公開
完成目前―。日本ハムは3日、北広島市にある2023年3月に開業予定の「エスコンフィールド北海道」のメディア公開を行った。客席の設置や天然芝の張り付けも完了し、工事は順調そのもの。進捗(しんちょく)状況はすでに95%を超え、年明けには受け渡しできる予定だ。リーグ優勝、日本一を狙う来季は「3・30」に、北広島から華々しく幕を開ける。
一、三塁席上には大型ビジョン 左翼奥には目玉のTOWER11も
新球場の内部に入ってみると、気温9度と冷え込む中でも青々とたくましく育った天然芝が目に飛び込んできた。球場の形は左右非対称で、一塁側、三塁側の客席の上には大型ビジョンが設置され、左翼奥には目玉の一つである「TOWER 11(タワー・イレブン)」が建設されている。
そこには観戦しながら利用できる宿泊施設や温浴施設があり、1階コンコースには壁画アート集団「OVER ALLs」が巨大なウォールアート(縦5.5メートル、横7メートル)を制作。かつて背番号11を付け、米大リーグへと羽ばたいていったダルビッシュ(現パドレス)と大谷(現エンゼルス)の姿が描かれている。
両翼フェンスと外野席の間にブルペン設置
また、両翼のフェンスと外野席の間にブルペンがあり、投手陣の試合中の動きも見ることが可能。野球を何倍も楽しめる、まさに唯一無二のスタジアムが完成間近だ。
「ファイターズ スポーツ&エンターテイメント」のファシリティクリエーション部・小川太郎部長は「ようやく形ができてきた。思い描いていた状態に限りなく近い」と感慨に浸る。今後のラストスパートでは、より一層、気を引き締めて作業していく構えだ。
注目の天然芝は2020年5月から千歳市で2年半かけて育成。今年10月3日からの5日間で張り付けた。現段階で4センチの長さがあり、開幕まで日光または「グロウライト」といった人工光を当てて成長を促していく。
待望の天然芝に十河技師「プレッシャー感じながらやってきた」
寒冷地、さらには開閉式屋根の球場と、これまでにない試みだっただけに、設計段階から携わっている大林組の自然環境技術研究部・十河潔司主席技師は「プレッシャーを感じながらやってきた。何とか良い時期に(芝を)張ることができた」と安堵の表情を見せた。
試合観戦のみならず、球場周辺でもあらゆる施設で楽しむことができる。最下位に沈んだチームが一気にジャンプアップするには、これ以上ない本拠地となりそうだ。23年3月の開幕までもう5カ月を切った。冬を目の前にしても、その熱い期待感は高まるばかりだ。