近藤FA宣言「もっと考える時間と材料必要」 球団は宣言残留認め全力慰留
今オフFA市場の目玉 複数球団による争奪戦へ
日本ハムは8日、近藤健介外野手(29)が今季取得した海外フリーエージェント(FA)権を行使する意思を伝え、球団に申請書類を提出したと発表した。この日近藤は、9日から札幌ドームで開催される「侍ジャパンシリーズ2022」のオーストラリア2連戦に向けて、同球場で行われた日本代表の練習に参加。今後、他球団と交渉し、日本ハムに残留するか、移籍するかを決断する。
「侍ジャパンに集中する中でこの決断に至った」
FA権の行使発表から約30分後。強化試合に向けた全体練習に姿を現した近藤の表情は、スッキリしていた。
球団を通して「ファイターズからは温かいお言葉を幾度となくかけていただき、ありがたいオファーも提示してもらいました」。有資格者が権利行使できる期間が9日までと迫っていただけに「侍ジャパンに向けて集中する中で、もっと考える時間と材料が必要だと判断し、この決断に至りました」とコメントした。
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10日にFA宣言選手として公示され、11日から他球団との交渉が可能となる。近藤は横浜高からドラフト4位で日本ハムに入団し、19、20年には最高出塁率のタイトルを獲得。今季はけがの影響で規定打席に届かなかったが、打率は3割を超えた。
球界屈指の選球眼を誇る近藤をめぐって、複数球団による争奪戦が繰り広げられそうだ。日本ハムは選手会長も務めるバットマンの能力を高く評価しており、これまでの交渉で大型契約を提示。宣言残留を認め、引き続き誠意を尽くして全力で慰留に努めていく。
「WBC本戦に選ばれるようアピールしたい」
他球団との交渉を前に、大事な戦いが控えている。9日から侍ジャパンの一員としてオーストラリア2連戦(札幌ドーム)に臨む。
5日の日本ハム、6日の巨人との強化試合では、いずれも2番でスタメン出場し存在感を発揮した。昨季まで日本ハムで共に戦った栗山監督から「頑張って世界一になろう」と声を掛けられ、オーストラリア戦に向けて「しっかりと(WBC)本戦に選ばれるようアピールしたい」と鼻息が荒い。
来季から日本ハムは本拠地を新球場に移転する。オーストラリア戦は、入団時から11年間プレーした札幌ドームでの〝ラストゲーム〟となる。「代表の自覚を持って、良いプレーをしたい。シーズン同様、活躍して喜んでもらえるようにしたいです」
まずは目の前の試合に集中。日の丸を背負い、自身の役割を全うする。