新庄監督がFA決断の近藤に助言「納得いくまで悩んで」残留熱望も選手の意思を尊重
日本ハムの新庄剛志監督(50)が9日、秋季キャンプ地の沖縄県国頭村で、海外フリーエージェント(FA)権の行使を決断した近藤健介外野手(29)に温かいエールを送った。残留を強く願いながらも、FA移籍の経験者として、近藤の意思を最大限に尊重する構えだ。また、ファウルゾーンのサイズが野球規則を満たしていないと指摘された新球場「エスコンフィールド北海道」についても言及した。
現役時代にFA移籍経験「自分の人生は自分で決めるもの」
選手の気持ちに寄り添うスタンスは一貫している。大黒柱流出の危機にも、新庄監督は近藤の将来を第一に考えていた。自らも現役時代、FA権を行使してメジャーに移籍した過去がある。紛れもなく、チームに欠かせない戦力だが「自分の人生は自分で決めるものだし、納得いくまで悩んで」と優しいまなざしで助言を送った。
監督就任1年目のシーズンを終えたばかり。近藤の存在は大きかった。「コンちゃん残って」「コンちゃんがいないファイターズは考えられない」というファンの声を耳にしているという。「それだけ愛されている選手の一人なんだなと、つくづく思います」と実感を込めた。
「また一緒にやっていきたい」「よそに行っても一生仲間」
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球団は最大限の誠意を表して残留交渉に当たっているものの、複数球団が獲得に乗り出す見込みで、争奪戦の様相を呈している。稲葉GMは「それだけの選手だということは理解している」と認めた上で「たくさん悩むと思いますけど、やっぱり、全力で残ってほしいという思いはあります」と訴えた。
今季、新庄監督を招へいした日本ハムは戦力把握と個々の成長に努めた。リーグ最下位になりながらも来季につながる布石を打った。ただ、打線の核となる近藤が抜けると、得点力のダウンは避けられない。
来季は優勝を目標に掲げている。是が非でも引き留めたいはずだ。それでも指揮官は「待つだけです」と言い切った。FA権の取得、行使は一流選手になった証しと考えている。
「結果、ファイターズでまた一緒にプレーできるのであれば、やっていきたい。一緒のユニホームを着た。よそに行っても一生、仲間ですよ」。祝福の感情も込め、最後まで功労者の幸せを願っていた。
新球場問題に言及「ファンに一番喜ばれるように、そういう気持ちで造った球場」
来年3月の開業を予定しているエスコンフィールド北海道のバックネット側ファウルゾーンのサイズが規定を満たしていないとされる問題について、新庄監督が自ら触れた。球団が対応を協議中だったが「初めて見に来てくれるファンの方たちに一番喜ばれるように。そういう気持ちで造った球場というのは分かってほしい」と切実な思いを口にした。
公認野球規則では、本塁からバックネット側のフェンスまで60フィート(約18メートル)以上が必要とされているが、15メートルほどしかない。7日に行われた日本野球機構(NPB)とプロ野球12球団による実行委員会で規定を満たしていないと指摘されていた。