吉田輝星が憧れの則本に弟子入り! 合同自主トレ参加で直球盗む
中学1年で見た楽天日本一に貢献したヒーロー
少年時代からのヒーローに弟子入りだ。日本ハムの吉田輝星投手(21)が、楽天の則本昂大投手(31)と来年1月に自主トレを行う。1年前も帯同を希望したが、依頼が直前だったこともあり、かなわなかった。今回はシーズン終了後すぐに連絡し、念願成就。同行の許可をもらい「すごいうれしいです。よっしゃー! って感じでした」と笑った。
楽天が日本一になった2013年。ルーキーながら15勝を挙げる大活躍を見せた則本の姿は、中学1年だった吉田に強烈なインパクトを残した。「僕も東北民なので、東日本大震災の後に優勝したとき、ローテに則本さんが入っていて、ずっと投げ方が格好いいなと思っていました」。以来、憧れの投手を聞かれた際には則本の名前を挙げてきた。
体格に親近感「体の使い方を盗めたら」
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合同自主トレを望んだ理由は、憧れだけではない。決して大きくない体を上手に使い、強い直球で強打者をなぎ倒す投球スタイルが、吉田の理想と重なるからだ。「190センチある人の投げ方を参考にするのは難しいですけど、則本さんは僕よりもちょっと大きいくらい(則本が178センチ、吉田が175センチ)。誰が見ても、体を大きく使って球速が速い。ああいう体の使い方をキャッチボールとかを見ながら盗めたらいいなと思って」と狙いを明かした。
コミュニケーションは、すでにバッチリだ。今年6月、故郷・秋田で凱旋登板した際の相手先発が則本だった。先輩右腕から「秋田のおいしいお菓子ないの?」と聞かれていた吉田は、「有名なやつがあるので送ります」と、楽天ベンチに「金萬」を差し入れ。地元銘菓の力も借り、良好な関係を築き上げている。
秋田で対戦「ゲームメーク能力がすごい」
その試合は前半に日本ハムが毎回のように走者を出すも、得点は奪えず。則本は尻上がりに調子を上げ、七回途中無失点で白星を挙げた。一方の吉田は、四回まで0を並べるも、五回に2失点して降板。「(則本は)ピンチをずっとゼロで抑えて、後半になったら手のつけられない状態になった。やっぱり、後半に球の威力が上がってくるのはすごい。ゲームメーク能力がすごいなって思いました」と改めて偉大さを痛感させられた。
現在は、沖縄・国頭の秋季キャンプで「練習量がおかしい」と苦笑いを浮かべるほどのハードメニューをこなし、徹底的に体を追い込んでいる。今季は51試合に登板し、1軍で投げ続ける大変さを感じた。「ファームで1年間やるのとはまた違う辛さがあった。1年間、戦える体づくり、投球をパワーアップできるような体づくりを頑張っています」。早朝の散歩は継続しつつ、ランニングの量を増やし、シーズン中は控えていたウエートトレーニングも再開した。
憧れの人の前で、ぶざまな姿は見せられない。「(則本と自主トレができる)喜びだけで終わらないように、しっかり練習してきたい」。多くを吸収するためにも、少しでもレベルアップした姿で則本塾の門を叩くつもりだ。