代打の神様・八木打撃コーチ 一振りの極意伝える 「少しでも勝負強い選手が…」
国頭秋季キャンプで就任会見
〝神の技〟伝授だ! 日本ハムの打撃コーチに就任した八木裕氏(57)が14日、秋季キャンプが行われている沖縄・国頭で会見を行った。同席した新庄剛志監督(50)から熱烈なオファーがあったことを明かし、「よし、やってやろうという気持ち」とやる気をみなぎらせた。現役時代は勝負強い打撃で輝きを放ち、ついた呼び名は「代打の神様」。1打席で結果を残す極意を、若い選手たちに継承していく。
代打の神様が、日本ハム打線を変える。阪神でともにプレーした新庄監督のラブコールに応え、入閣を決めた八木打撃コーチは「まず、びっくりしたのが最初の感想。直接電話をいただいたので、すごく光栄なこと。23年は優勝するとビッグボスが言っている。それがかなうように、何とか得点力を上げたい」と意気込んだ。
新庄監督の期待大「全てを叩き込んでほしい」
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現役時代は3年連続20本塁打を記録するなど、好者として活躍。晩年は勝負どころでの代打起用で何度も快音を鳴らし、甲子園のファンを熱狂させた。代打での通算打点は「98」を誇る。指揮官からは「今の若い選手は1打席、1球が勝負になってくる。八木さんが全てを叩き込んでほしい」と大きな期待を寄せられた。
シーズン中から、ビッグボス率いる日本ハムの野球に好印象を受けていた。阪神との交流戦は3試合とも視察し、「非常に鮮烈に記憶に残っている」と振り返る。中でも満塁でエンドランを指示した場面を「ボスにしかできない作戦だと思うし、それが新鮮で素晴らしいと思えた」と称賛。斬新な采配にも肯定的だ。
1打席に全てを懸けて結果を残す〝神の極意〟を伝えていく。この日は早速、秋季キャンプに参加し、選手たちの動きに目を光らせた。「若い選手が多いので、根気がいる。早めに力量を理解して、強い日本ハムが続くようにやっていきたい。代打がクローズアップされますけど、レギュラーでバリバリやるのが第1の目標。その中で、少しでも勝負強い選手が多かったら」と若手の成長を思い描いた。
選手たちも神様から多くを吸収しようと前向きだ。初めて指導を受けた万波は「練習の投手は試合より球が遅いので、(バットの)先で打つくらいの感じでいいよって言われました」と助言の内容を明かし、「今年はなかなか(代打で)結果を出せなかったので、もらったチャンスをしっかり生かす心得を聞いていきたい」と目を輝かせた。
リーグVへ「打率、本塁打、得点、全ての数字をアップさせる」
八木コーチは来季の目標を「チーム打率、チーム本塁打、チーム得点数、全てにおいての数字をアップさせること」と設定。「チーム全員で優勝するという気持ちを持ってレベルアップしていきたい」と力を込めた。新庄監督の右腕として、身を粉にして働く覚悟だ。
指揮官の願いが2年越しで成就
2年越しの念願がかなった。新庄監督は「監督1年目の今年、本当は八木さんに(打撃コーチを)お願いしようと思った。でもまだ1年目で、出しゃばれない(笑)。1年終わってから球団に言って、オファーを出しました」と説明した。「八木さんはセ・リーグの試合をたくさん見てきている。交流戦では投手のミーティングにも参加してほしいし、全ての面でアドバイスしてもらいたい」と信頼を寄せた。