バスケU18日本代表の山田哲汰(白樺学園高)が日大に合格
長身188センチPG 日大OBのレバンガ折茂代表も太鼓判
今年8月にイランで開催されたバスケットボールU18アジア選手権で男子日本代表の準優勝に貢献した白樺学園高のPG山田哲汰(3年)が1日、全日本学生選手権を12度制した日大に合格した。同大OBで、B1レバンガ北海道の折茂武彦代表(52)も注目する逸材の長身ポイントガード(PG)が、将来のB1入りへ名門の扉をくぐる。
折茂をはじめ、プロや日本代表を何人も輩出した強豪。同期は10人程度で、全国から選りすぐりの少数精鋭が集まる。山田は「日本でもトップクラスの実力を持ったチーム。今のままいったら埋もれたまま終わってしまう。今のうちから苦手な分野を少しでも減らして、良い状態で入学したい」。ゲームメーカーとして、オールコートマンツーマンを仕掛けられた際のドリブルや、1対1の技術に磨きをかけていく。
レジェンドも太鼓判だ。この夏、初めて世代別の日本代表入り。昨年12月から始まった厳しい競争を勝ち抜き、最終選考の代表12人に生き残った。山田は日本人PGとしては長身の188センチ。目標とするB1の今季登録PGの平均身長181.9センチ(外国籍選手含む)を大きく越える。11月上旬に室蘭で行われたウインターカップ北海道予選でテレビ解説した折茂代表が「パスセンスも、レイアップでインサイドに割っていく能力も高い」と絶賛した。
来年7月U19W杯出場狙う「日本代表として戦えるように」
U18アジア選手権男子日本代表のPG登録は、山田と夏の高校日本一の福岡第一の轟琉維(3年)の2人。167センチの轟に対し、山田は長身を生かしたプレーで決勝まで5試合に出場。ダンクシュートも決めるなど、1試合平均4.6ポイント、3.6アシストで決勝進出に貢献した。「ドライブやピック&ロールでは、周りを生かすプレーは通用する」と手応えを得ている。今回の結果で来年7月のU19W杯の出場権も獲得。「まずはそのメンバーに入って、日本代表として戦えるようにしていきたい。またU21のユニバーシアードにも、しっかりと選ばれるように練習していきたい」と、頂へ一歩ずつ着実にステップを踏んでいく。
サラブレッドだ。実業団のシャンソン化粧品でもプレーした母・幾子さんの影響で、物心がついたときには「いつも家の中にバスケットボールがあった」。父方の叔母・かがりさんは1996年アトランタ五輪女子日本代表のガード。所属先のシャンソン化粧品では国内最高峰リーグで10連覇に貢献。山田は幼い頃、叔母の家に飾ってあったチャンピオンリングを見て憧れたという。自宅の庭にはバスケットボールのゴールが設置されていて「気づいたらバスケをやってました」。小学校時代はフォワードが中心で、中学3年で本格的にガードに挑戦。利き腕は、右利きだが、食事とハサミは左手。「だからドリブルを突くのは両方」と胸を張る。
まずはウインターカップ「センターコートで勝利して4強に入りたい」
日大進学の前に、成し遂げなければいけないことがある。高校生活最後の大会「ウインターカップ」だ。入学直後から主力としてコートに立ち続けてきた。2年時の7月に左肩を亜脱臼。約1年間ずっと左肩にサポーターを巻いてプレーしてきたが、補強トレーニングの成果もあって、8月のイラン遠征帰国後から巻くのを止めた。ウインターカップは万全の状態で挑む最後の大会。順調に勝ち進めば3回戦で、王者・福岡第一と激突する。
11月23日に行われたサッカーW杯1次リーグ・日本対ドイツ戦はテレビで応援。「格上の相手にも諦めずに果敢に攻めた結果、ああいう試合展開になったと思う。自分たちも相手がどれだけ強くても、びびらず、自分たちのバスケットを展開すれば勝機はある。スポーツは違うけれど参考にしたい。福岡第一さんを倒して、センターコートで勝利して目標の4強に入りたい」。白樺が高校バスケでジャイアントキリングするために、最良の準備を進めていく。
■プロフィール
山田哲汰(やまだ・てった) 2004年7月17日、帯広市生まれ。実業団でプレーした母・幾子さんの影響で、帯広豊成小1年で競技を始める。帯広南町中2年時の3月に北海道選抜で全国8強。白樺学園高では1年春から主力として活躍。同2年夏から夏冬4季連続で全国大会に出場。今年8月のU18アジア選手権で日本代表の準優勝に貢献した。188センチ、79キロ。家族は両親と兄、妹。