西川 代打でサヨナラ打 わずか5秒でこの日の主役に
■日本ハム3-2西武(2日、札幌ドーム)
さすがは千両役者!日本ハムは3日、札幌ドームで西武と対戦し、今季3度目のサヨナラ勝利を飾った。2―2の九回2死満塁で、ベンチスタートだった西川遥輝外野手(29)が満を持して代打で登場。中前に試合を決める一打を放った。これでチームは6カードぶりの勝ち越しを決め、5位・西武とのゲーム差を「1」とした。
わずか5秒で主役の座をかっさらった。2―2の九回2死満塁。球場に「代打・西川」がコールされた。一振りで勝負を決めた。西武の守護神・平良の154キロ直球を中前にはじき返し、今季3度目のサヨナラ勝利、6カードぶりの勝ち越しを呼び込んだ。
右手を高く突き上げた西川はチームメートから祝福のウオーターシャワーを浴びた。ヒーローインタビューでは「汗をかく前に打席が終わったので、ちょっと寒いです」と笑った。
1日には、同期入団の斎藤が引退を表明した。新人合同自主トレなどで巻き起こった“佑ちゃんフィーバー”を間近に体験した。「同期で入って、あんなに注目されることもないし、一緒に入団できたことが本当に夢のようで、今でもすごく覚えてます」。当時の光景が鮮明によみがえる。
体が硬いと自認する西川は「佑樹さん(斎藤)とは、常に体のことについて話をしてましたね」。負傷に悩まされることが多かった右腕の姿を「いろいろ頭を使いながらやっているなと思ったし、痛くない投げ方だったり、そういうものを常に探しながらやっていたと思います」と振り返った。
17日のオリックス戦では斎藤の引退試合が予定されており、再び同じグラウンドに立てるチャンスがある。「斎藤佑樹なんでね。後ろを守れるだけで、本当に感激ですよ」。最後の勇姿を、しっかりと目に焼き付けるつもりだ。
(十島功)