納得の契約更改交渉　気持ちは来年３月のＷＢＣへ

　日本ハムの伊藤大海投手（２５）が８日、札幌市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、４４００万円増の年俸８５００万円（推定）でサイン。来年３月開催のワールド・ベースボール・クラシック（ＷＢＣ）参戦を表明した米大リーグ・パドレスのダルビッシュ有投手（３６）との共闘に意欲を燃やした。

　ＷＢＣについてに問われると、伊藤が憧れの人の名前を挙げて出場を熱望した。「もちろん代表に選ばれ続けたい気持ちもありますし、先日、ダルビッシュさんも（参加を）発表した。自分も一緒にプレーしたいという思いが強くなりました」と目を輝かせた。

ダルビッシュの決意表明に感激「さすがだなと」

　６日にダルビッシュが自身のツイッターで「栗山監督に『来年のＷＢＣ出場しなさい』と言われたので出場します」と投稿。崇拝する大先輩の決意表明に「周りに気を使わせないのはさすがだなと。メジャーから参加するのはすごいことですし、調整とかいろいろ考えても大変なこと」と感激した。

　メジャー右腕の参加表明を受けて、来春の代表入りへ気持ちはより強くなった。昨夏の東京五輪では金メダル獲得に貢献。この秋もＷＢＣに向けた強化試合のメンバーに選ばれた。「この前のサッカーＷ杯もそうですけど、国を背負って戦うのは生半可な気持ちではできないと思いますし、それだけ注目もされる。結果も問われる。精神的にもタフでなければいけない」

一流の極意を学ぶ「いろんなことをお聞きしたい」

　ＷＢＣメンバー入りがかなえば、一流の極意を間近で見て学べる機会が生まれる。人見知りキャラを自称する右腕だが、「そうなった場合はいろんなことをお聞きしたい。来年、人間としての目標は大人になることなので、何とか話しかけていけたら」と気合十分。すでに出場を表明している大谷とダルビッシュ、伊藤による豪華リレーの夢も膨らむ。

目指すはマウンド上の支配者　人間としての成長も誓う

　２年連続２桁勝利を達成し、この日は大幅アップで契約を更改。プロ３年目を迎える来季の目標には『支配者』としたためた。３文字には「マウンド上で圧倒的な姿でありたいな、という思いと、ゲームを良い意味で支配する」と思いを込めた。

　今季は千賀（ソフトバンク）、山本（オリックス）といった球界を代表する投手に投げ勝った。喜びはあったものの、自身のふがいなさも感じたという。「僕が（力を）引き出してもらった。徒競走とかで隣の人が速かったら、速くなるみたいな。それと全く同じ状況だなって。まだまだだなと改めて感じる瞬間だった。そっちの立場になっていくように頑張っていきたい」

　人間としての成長も誓った。「大人の階段を上れたらなと思う。基本的にちっちゃいので。もっと自分のキャパを広げて、何でも受け止められるように、大きい海のようになります！」。名前の由来でもある、大海原のように広く、大きい人になる。